時短礼賛時代に向けて禁断のレンチン調理をOKに
比恵島さんが言うパリッとしたおいしさ。これは「シャウエッセン」の有名なCM『美味なる物には音がある!』でも有名です。
とはいえ、「シャウエッセン」の開発が始まった1970年代後半は、成田空港が完成するなど日本の国際化が加速し始めた時期。そこで、食文化をはじめソーセージにも本格的な味を求める時代になるという確信をもとに開発プロジェクトが発足したのです。
「いまでこそあらびきソーセージは当たり前ですが、その日本初は『シャウエッセン』だと自負しております。また、パリッと感を体験していただくため、スーパーなどでの試食でも『シャウエッセン』はソーセージを切らずに丸ごと提供しておりましたし、ホットドッグとともに商品訴求するCMなど、さまざまな食シーンを提案してきました。そういったお客様とのコミュニケーションの中で、大きな転換点となったのが2019年の電子レンジ解禁宣言です」(比恵島さん)
2019年は「シャウエッセン」誕生35周年のアニバーサリーイヤー。同時に、社内で既成概念からの脱却やチャレンジが叫ばれていた時期でもあったとか。一方で世の中は、時短とともに簡単調理が求められる時代へ。そんな中、消費者に寄り添う姿勢としてレンチン解禁となったのです。
「発売当時は、ボイル調理が正解ということで焼くことを推奨していませんでした。ただ35年が経過して食文化も多様化する中、守ることだけでなく攻めていくことも大切だと考えるようになったのです。そして、商品としても新提案をしたいという思いから2018年8月に『シャウエッセン ピザ』(税込451円)を発売しました。こちらはソーセージを切って焼いているという意欲的な商品です。不安もありましたがそれを超える高評価をいただき、その後の様々なエクステンションを開発する自信へつながりました」(比恵島さん)