狙った味わいは“満ち溢れる余韻と重厚な香り”
筆者自身、開発背景や製法に関しては大いに気になるところ。そこで、ブランドマネージャーの亀井雅俊さんにアンケート形式でインタビューを行いました。まずは、味わいについて。造る年によって変化はあるのでしょうか?
「スペックなどに変更はありません。ただし木樽は一つひとつ個性が違いますので、かすかな変化が生じます。この個性を生かしつつ、魅力を最大限引き出した味わいに仕上げています。基本的には樽の状態を確認しながら熟成の温度などを厳密に管理するとともに、ブレンドした際の調和感をイメージ。狙った味わいの実現に向けて中味を設計しています」(亀井さん)
サントリーのシングルモルトには京都の南西・天王山のふもとで生み出される「山崎」のほか、山梨の南アルプス・甲斐駒ヶ岳のふもとで蒸溜される「白州」があります。本商品の熟成樽には「山崎」が用いられていますが、その理由も聞きました。
「開発時に複数の樽で試醸したところ、山崎原酒樽が狙いの“満ち溢れる余韻と重厚な香り”を実現できたことが一番の理由です。なお、熟成期間は開示できないのですが、場所は『マスターズドリーム』などを醸造している武蔵野ビール工場内で熟成を行っています」(亀井さん)
今年の応募期間は終了しましたが、ほぼ毎年醸造されているので来年も期待したいところ。最後に、本商品に対する想いや今後の展望も聞きました。
「『ザ・プレミアム・モルツ』や『〈香る〉エール〉』は“日常の中で愉しむビール”。『マスターズドリーム』は“特別な時間を愉しむビール”だと思います。そのうえで、『マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉』は年に一度しか造れないビールでもありますので、ゆっくりじっくりと味わっていただけたら。今後について現時点で具体的に決まっていることはありませんが、ブランド価値向上に資する取り組みを幅広く検討してまいります。これからも『マスターズドリーム』にご期待ください!」(亀井さん)
本稿で初めて「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉」のことを知った人もいることでしょう。ビール好きはもちろん、ウイスキーファンの人もぜひ公式サイトなどをチェックしてみてください。
【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】