グルメ
2021/9/4 11:00

BBQはタレではなく「スパイスソルト」が最新トレンド!ツウ御用達から定番まで「絶品5品」を食べ比べ

アウトドアの楽しみのひとつは、キャンプめしやバーベキューでしょう。家焼肉のスタイルのほか、本格的な塊肉を焼いて楽しむ人も増えていますが、食べ方はタレよりもスパイスソルトで味わうのが最新トレンドです。

↑実際のバーベキューを想定した料理とともに食べ比べます

 

そこで、キャンプ好き絶賛のブランドから、身近なスーパーでも入手できる商品まで5つを集めて味比べ。それぞれの特徴を深掘りしていきます。

 

1:米国的な明るい塩味とハーバル感「クレイジーソルト」

まずは歴史の長いメジャー商品である「クレイジーソルト」。クレイジーの英語表記は「Crazy」ではなく「Krazy」で、これはキッチン(Kitchen)で愛されて欲しいという思いを込めたことが由来です。中身は岩塩と6種類のスパイス&ハーブをブレンドした調味料で、1960年代のアメリカ生まれ。当時60歳だったジェーンさんがおいしい岩塩を削り、ハーブを加えて手作り調味料を楽しんでいたことがはじまりです。

↑今回使ったのは30g入りの「クレイジーソルト ミニ」(実売価格224円)。通常サイズは113g入りの「クレイジーソルト」(実売価格558円)です

 

使われている6種というのは、ペッパー、オニオン、ガーリック、タイム、セロリ、オレガノ。味わってみると最初に塩が強めに来て、あとからセロリとオレガノを豊かに感じられます。

↑塩の粒は比較的大きめで、このサイズと配分量がエッジの決め手かもしれません

 

アメリカらしいブライトなニュアンスがありながら、ロングセラーであることを納得させるバランスの良さもあり、肉はもちろん魚や野菜にもバッチリ。ハーバルな香りが効いているので、肉の臭みを抑えたいときにも重宝します。

 

2:ワイルドさとエスニックな風味「マキシマム」

牛豚鶏のどれもが美味だと有名で、日本屈指の畜産県・宮崎が誇る「マキシマム」。ご当地スパイスソルトとして、他の追随を許さない知名度があります。1980年代の半ばに誕生したらしく、宮崎県出身者はもちろん、肉好きなら知っている人も多いでしょう。また、「中村食肉」という肉のプロが開発したという点も見逃せません。

↑「マキシマム」は140gで実売価格646円

 

素材は、国内製造の食塩と胡椒のほか、コーンスターチ、ガーリック粉末、醤油、かつお調味粉末、オニオン粉末、ナツメグ、パプリカ、クミン、ローレル、唐辛子。ところどころに和の素材も使われています。

↑色味は今回の中で最もブラウン系。塩はパウダー状ですが、ところどころ粒の大きい素材があります

 

印象的なのは塩味の強さと余韻のピリ辛。スパイス&ハーブはナツメグとローレルを豊かに感じ、クミンによるエスニックな風味も。魚や野菜に合うけど、肉が一番合う味付けになっていると思います。

 

次に紹介するのは、多くのキャンパーから愛されるあの逸品! 販売先はアウトドア専門店などが多く、値段も高めですが、愛される理由はどこにあるのか、確かめます。

 

 

3:うまみと20種のスパイスによる複雑な味「ほりにし」

その逸品の名は「ほりにし」。和歌山にある有名アウトドアショップ「オレンジ」のマネージャー、堀西晃弘さんを中心に開発したため、この商品名となっています。誕生は2019年4月と比較的最近ですが、すっかりキャンパー界隈では有名となり、家庭で使う人も少なくないとか。

↑「ほりにし」は100gで842円

 

特徴のひとつが使用している調味料の多さで、その数はなんと20種類以上。食塩、ガーリック、黒胡椒、レッドベルペッパー、粉末醤油、ミルポアパウダー、コリアンダーなど様々な素材を使っています。また、醤油やミルポア(スープやソースのベースとして使われる香味野菜の総称)パウダーなどで、うまみを効かせているのもポイント。

↑おいしさの認知が広がる羊肉。BBQにはラムチョップがよく似合います

 

それぞれの粒が大きめなのも「ほりにし」の特徴。パンチがありつつも醤油やミルポアの効果か、まろやかなタッチや甘みも感じます。「クレイジーソルト」も粒が大きめで、「ほりにし」ともにインパクトの強さを感じますが、「ほりにし」のほうが味に柔らかさや奥行きがある印象。これは、使う調味料の数が多いため複雑性をもっているから、とも考えられます。シンプルなほうが好きなら「クレイジーソルト」でしょうし、これは好みの問題だといえるでしょう。

 

4:ニンニク強めのガッツリ系「黒瀬のスパイス」

宮崎生まれの「マキシマム」と双璧をなす九州のスパイスソルトといえば、「黒瀬のスパイス」です。こちらは福岡県北九州市の鶏肉店「かしわ屋くろせ」が、1990年代半ばに開発した万能調味料。「マキシマム」「ほりにし」「黒瀬のスパイス」で“アウトドア調味料御三家”と称されることもよくあります。

↑「黒瀬のスパイス」は110gで550円

 

唐揚げや焼鳥をはじめ、様々な鶏惣菜を販売している「かしわ屋くろせ」。その中で、より鶏肉のおいしさを際立たせる調味料を追い求めた結果、「黒瀬のスパイス」が生まれたのだとか。

↑塩や胡椒のほか、醤油、レッドベルペッパー、フライドガーリック、マジョラム、オレガノなど15種類以上の素材が使われています。赤みがかった色合いは、レッドベルペッパーによるものでしょうか

 

印象的なのは、フライドガーリックの力強さ。適度な辛さも相まって、スパイシーさを豊かに感じます。「牛豚鶏魚に」というラベルのウリはその通りで、特にガツンとパンチの効いた味が好きな人にはオススメです。

 

5:お肉もいいけど魚もね勢に!下味にも使える万能性「GABANハーブリッチブレンド」

ラストは日本が誇るスパイスの超名門「GABAN」(ギャバン)。シーズニングやスパイスソルトのバリエーションも豊富で、その中から今年の新商品である「GABAN ハーブリッチブレンド」を試します。

↑「GABAN ハーブリッチブレンド」は57gで実売価格454円

 

テーマは汎用性。グリル系の肉料理をはじめ、白身魚ソテーなどの魚料理にも合うよう、7種のハーブを絶妙なバランスでブレンドし、食べやすい方向性に。また、ハーブの味を邪魔せず味の厚みづけを行うために試行錯誤した結果、隠し味に味噌を使用しているのもポイントです。

↑7種のハーブは、ローズマリー、オレガノ、バジル、セージ、タイム、パセリ、ディル。これらを、うまみ豊かな岩塩を絶妙にブレンドしています

 

第一印象は、ハーバルで上品な風味。肉にも合いますが、今回比べたほかのスパイスソルトよりはおとなしめで、一方で魚との相性に関しては優位性を感じました。粒が細かいパウダー状になっているのもポイントで、下味として馴染ませたいときにも使いやすいと思います。

↑味や香りはもちろん、色味や粒の大きさも千差万別。乾燥していて保管や持ち運びに便利な点も、アウトドアに嬉しい魅力です

 

本稿を参考に、好みに合ったスパイスソルトをゲットしてください!

 

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