クラフトビール人気の高まりとともに多くの専門店やブルワリーが立ち上がるなか、独自のポジションを得ているブランドが「CRAFTX」です。今夏にはリニューアルを遂げるとともに、個性的な新商品もリリース。ブランド解説と味わいレビューで特徴を紹介します。
CEOは元Facebook Japan代表取締役。日本初の試みも導入された
「CRAFTX」の誕生は2020年。P&GのマーケティングやFacebook Japanの代表取締役などを経た長谷川 晋さんが、2019年に創業したMOON-X社の第1弾ブランドです。同社の理念は「共創を通じてJAPAN BRANDSの発射台となる」。商品はプロフェッショナルな作り手と共同開発する手法で、「CRAFTX」でも国内有数のブルワーとのタッグで革新的なビールを生み出してきました。
「お客様との“共創”」に関しては、消費者からのフィードバックをもとにプロダクトの改良を行っていくということ。味わいやサービスなどが、アップデートを繰り返しながら進化していくのも「CRAFTX」の特徴です。
そして、この“共創”の一環で誕生した新作がレモンサワー「PULEMO(ピュレモ)」。今春、クラウドファンディングサービスの「CAMPFIRE」でプロジェクトがスタートし、目標金額に対して122%の支援を集めて夏から発売となりました。併せて総合アルコールブランドにリニューアルし、全体のアートディレクションも一新。
デザイン面で目を引くのが、パッケージの前面にある二次元バーコードです。一過性のキャンペーン用ではなく、二次元バーコードが基調となるデザインはアルコールブランドとしては日本初(CRAFTX調べ)とのこと。
二次元バーコードのアクセス先は公式サイトかと思いきや、少し違いました。公式のコンテンツではあるのですがスマホ専用となっていて、トップの「Ready to drink CRAFTX?(CRAFTXを飲む準備はできてる?)」というページから「Yes!」で入ると、数十秒の動画がズラリ。
この仕掛けはユニークかつ面白いと思いました。事前に、あるいは実際に飲みながら動画を見ることでストーリーが心に刻まれ、その味わいをより多角的に楽しめることでしょう。
こんなにハーバルなレモンサワーは初めて!
ということで、筆者も「クリスタルIPA」からひと口。こちらは、ユーザーからの声で多かった「よりフルーティー」かつ「落ち着いたシーンにふさわしい味」を目指し、華やかな香りと柑橘のニュアンスを高めたとのこと。
IPAとはIndia Pale Ale(インディアペールエール)の略で、ざっくり表現するならば、大量のホップによる豊かなコクと力強い苦み、華やかな香りが特徴。クラフトビールで最も人気が高いカテゴリーで、近年はより柑橘感や苦みを強めたり、アルコール度数を抑えたりした派生形のIPAがブームをけん引しています。
ジューシーな香りは、グレープフルーツ的な柑橘の奥にマンゴーやココナッツ系の南国フレーバーを感じ、さらにはほのかな甘みも。その一方苦みの刺激は抑え気味で、キレもあるため余韻は非常に爽やかです。IPAのなかでも特に最近人気のヘイジーIPAを思わせるジューシーさ、苦みのやわらかさをもちながら、飲み飽きないスムースさ、バランスのよさを併せ持つ一本だといえるでしょう。
次はレモンサワー「PULEMO」を。こちらは最近日本でもジワジワ浸透しているハードセルツァータイプ。直訳するとアルコール入り炭酸水のことで、あえてわかりやすく表現するのであれば、サワーやチューハイがジュースであれば、ハードセルツァーはフレーバーウォーターとすみわけできるかと思います。
木内酒造はもともと造り酒屋であり、日本のなかでも早くから海外輸出に力を入れていたクラフトブルワリー。ハードセルツァーが人気の米国文化に詳しく、また近年はスピリッツにも力を入れていることから、ハードセルツァーを手掛けるには適任です。
味わいとして印象的なのはハーバルな香り。スペアミントとローズマリーを使っているとのことで、クールかつグラッシーなアロマがただよいます。そこに、レモンのフレッシュな香りと酸味が加わり実に爽快。甘さは控えめな一方、ベースのスピリッツにはコクがあるので、軽やかながら飲みごたえは十分。
「CRAFTX」はD2C(Direct to Consumer。いわゆるEC直販のこと)ブランド。販売は公式サイトや楽天市場内の公式ショップなどのオンラインとなり、基本的にリアルショップでは買えませんが、それがかえって飲みたくなるポイントのひとつ。プレゼントにも最適です。お祝いや記念日に選ぶビールとしても、覚えておくといいでしょう。
※現在「PULEMO」は在庫切れの状態となっています。今後の入荷については、CRAFTX公式サイトをご確認ください。
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