グルメ
2022/12/30 21:15

トレンドの韓国酒場でもこの味は別格!東京駅に開業した「コッキオ」実食レポート

外食業界における最新トレンドのひとつが、韓国酒場。雑誌『GetNavi』の2022年12月号(10月24日発売)では注目の3店を取材し詳報しましたが、そこで紹介しきれなかった、とっておきの一軒があります。その店とは「韓国酒場コッキオ グランスタ八重北店」。韓国酒場のトレンドを解説しつつ、同店をレポートします。

↑「韓国酒場コッキオ グランスタ八重北店」。全82席と、全国に9店舗ある韓国酒場コッキオのなかでは最大規模となります

 

韓国酒場トレンドの背景は、第4次韓流ブームとコロナ禍

韓国酒場が人気な理由は2点。ひとつは、Z世代を中心に第4次ともいわれる韓流ブームが到来しているから。

 

それぞれの代表的アイコンは、第1次が日韓ワールドカップやドラマ『冬のソナタ』、第2次はチャン・グンソクやカンナムスタイル、少女時代やKARAに代表される韓国アイドル、第3次はBTSやTWICEなどのグローバルK-POP。そして現在の第4次では、第3次からの流れに加え『愛の不時着』『梨泰院クラス』といったドラマがより存在感を強めています。

 

韓国料理の存在感も年々増していて、第1次はキムチ鍋やスンドゥブなどピリ辛系が中心でしたが、第2次はサムギョプサルやホットクにマッコリ、第3次はチーズタッカルビやチーズハットグなど。これらを引き継ぎつつ、第4次はUFOチキン、チュクミ、マヌルパン、トゥンカロン、タルゴナコーヒーなど多様化、先鋭化、オシャレ化が進んでいるのです。

↑約10年前に撮った、新大久保で大人気だった「ホットク」。当時はチャン・グンソクを起用したマッコリのCMが流れていたのも印象的でした

 

そして、韓国酒場が人気を集めるもうひとつの理由が、渡航しづらい(徐々に緩和されつつあるが)ことでしょう。コロナ禍により、外食業界では現地の雰囲気を再現したアジアン大衆酒場が増えていて、台湾酒場や香港酒場も活況に。

 

ポイントは、その多くが日本人経営者による大衆酒場風の業態であること。そのため現地出身者による“ガチ中華”ブームは、アジアン大衆酒場トレンドの文脈とは異なります。

 

何はともあれ、渡航がしづらいためアジアン大衆酒場が人気で、なかでも韓国業態は第4次ブームの影響もあって盛況というわけなのです。

 

チェーンだが家庭的な本格味。特に鶏の鍋は必食!

雑誌『GetNavi』では、「串カツ田中」グループの新業態「焼肉くるとん 代官山店」など新興ブランドを紹介しました。「韓国酒場コッキオ」を取り上げなかった理由は、運営企業が韓国食品卸の老舗であり、「コッキオ」ブランド自体は2015年より存在しているからです。

 

また、「コッキオ」が関西屈指のコリアンタウン・鶴橋に1号店をオープンしたことも、関東発祥の最新トレンドでくくるのとは違うといえるでしょう。ただ、「コッキオ」は姉妹ブランド「ビビム」とともに勢力を伸ばし、ここ数年で首都圏でも拡大中。そんな隆盛のなか、満を持して開業したのが「韓国酒場コッキオ グランスタ八重北店」なのです。

↑同店は「グランスタ八重北」のなかでも異彩を放つ「多国籍ゾーン」に2022年9月8日オープン。なお「コッキオ」とは韓国でいうコケコッコーのこと

 

韓国食品に長年携わっていることもあり、料理の味は折り紙付き。名物はタッカンマリ(韓国風水炊き)とタットリタン(鶏×じゃがいものピリ辛鍋)で、“映え”要素よりもシンプルに味のおいしさを追求している点も特徴です。

↑基本の「タッカンマリA」はこのサイズで約2人前3520円(税込/以下同)。別皿でカクテキ、トンチミ(大根の水キムチ)、キャベツが付きます

 

そのクオリティは食べれば納得。兵庫の「但馬どり」を使い、セントラルキッチンではなく店内で炊いたスープは滋味深くまろやか。ゴロッと大きな鶏肉は柔らかくジューシーで、満足度も抜群です。

↑「タットリタンA」はカクテキ、トンチミ(大根の水キムチ)、もやしナムル付きで3520円

 

タットリタンも、ベースのスープが絶品なので圧倒的なおいしさ。どちらの鍋も、個人店でオモニ(お母さん)が丹精込めて作ったような、本格的で説得力のある味わいを感じます。

こだわりの韓国酒場メニューが豊富

定番から個性派まで、多彩なメニューが揃っているのも「コッキオ」の魅力。たとえば「ヤンニョムチキン」や「フライドチキン」はおなじみですが、鶏肉がウリの同店はさすがのおいしさ。またチヂミも定番の韓国料理ですが、「コッキオ」では生地をあえて少なくすることで、ヘルシーかつサクサクの食感に仕上げています。

↑通常とヤンニョム、2種を楽しめる「バンバンチキン」。小950円と大1910円があり、写真は大

 

↑チヂミの名物は野菜もたっぷりの「明太チーズチヂミ」(1180円/右)。左は「イカニラチヂミ」で、中央は海老、イカ、アサリ入りの「海鮮チヂミ」(ともに1080円)

 

酒場であるため、キンパもここならでは。つまみやすい細巻きタイプの「ミニミニキンパ」(630円)やインパクトのある「チーズキンパ」(980円)が用意されており、お酒との相性は抜群です。

↑「ミニミニキンパ」は一皿5本で630円。“味変”用に辛子ソースが付きます

 

ほかにも、韓国式ハンバーグ「トッカルビ」、ツナ缶をそのまま使ったユニークな「チーズコチュチャムチ」などがあるのも「コッキオ」の特徴。これらは新興の韓国酒場ではあまり見かけないメニューで、現地で大定番のソウルフード「タッパル」のように韓国ツウが喜ぶ料理も味わえます。

↑「トッカルビ」700円。牛肉の甘みが豊かでジューシー

 

↑「チーズコチュチャムチ」550円。甘辛のコチュジャンであえたツナと、たっぷりのとろけるチーズに悶絶しそうなおいしさです。日本ではまだ珍しいそうで、人気も出そう

 

↑鶏のもみじを辛口に仕立てた「タッパル」630円。コラーゲンたっぷりです

 

日韓両方のカルチャーを熟知した老舗の強みを発揮

このように、内外観ではレトロと開放感を調和させ、メニューでも伝統料理とトレンドフードにオリジナリティをプラス。日韓それぞれの新旧カルチャーを熟知した老舗ならではのブランディングが光る“別格”な飲食店、それが「韓国酒場コッキオ グランスタ八重北店」なのです。

↑ドリンクもビールのほか、ソジュ(韓国焼酎)やマッコリといった本場のお酒が豊富

 

駅直結でアクセスも抜群の「グランスタ八重北」。昼からの通し営業で使い勝手もいいので、東京駅で食事やお酒を楽しむ際には足を運んでみては?

 

【SHOP DATA】

韓国酒場コッキオ グランスタ八重北店

住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 東京駅 八重北食堂 1F
アクセス:東京駅直結(最寄りはJR八重洲北口)
営業時間:11:00~23:00(料理L.O22:00、ドリンクL.O.22:30)
定休日:施設に準ずる