「シーバスリーガル」といえば世界的に有名なスコッチウイスキー。最近では日本原産のミズナラ樽でブレンドした「シーバスリーガル ミズナラ」を発売するなど、日本のウイスキーファンに最も愛されるブランドのひとつになりました。そんな定番銘柄から、11月14日に新商品「シーバスリーガル アルティス」が登場。
5つのモルトウイスキーだけを使用!
「アルティス」とは英語の“ULTIMATE(究極)”と、ラテン語の“FORTIS(力)”を掛け合わせた造語で、“究極の力”を意味するようです。それだけメモリアルな逸品が誕生したということでしょうか。スペックの詳細やプロダクトの背景を紹介していきましょう。
新作の特徴は、5つの名高い蒸溜所(後述)の貴重なシングルモルトウイスキーをブレンドしていること。これは5人のマスターブレンダー達の献身と才能を祝したオマージュであるとともに、ブランド史上初の試みとか。名だたる蒸溜所+歴代の著名ブレンダー+最新技術の結集ーーこのすべてを詰め込んで融合させたスタイルにゲームのラスボス感を感じるのは筆者だけでしょうか。ちなみに、“初”とは「ブレンデッドウイスキーではないよ」ということです。
簡単にいうと、とうもろこし、ライ麦、小麦などの穀類を主原料としたグレーンウイスキーを使わず、モルト(大麦)のウイスキーのみでつくられているものをヴァッテドモルトウイスキーといいます。ほかには、ヴァッテドウイスキーやブレンデッドモルトウィスキーと呼ばれることもありますが、どれも意味は同じです。
シーバスリーガルの味の特徴には華やかでバランスのよい香りがあり、そこから“スコッチのプリンス”と称されることもあります。そのなかにあって、新作のシーバスリーガルはよりモルトの個性が際立っているのです。
究極のブレンディング技術によるプレステージな逸品!
5つというのは、すべてスコットランドのスペイサイド地方にある著名な蒸溜所になります。なかでも味の軸となるのは「ストラスアイラ」蒸溜所。これを柱にして、その他4つのシングルモルトを巧みに組み合わせることで、芳醇なアロマや複雑な味わいを生み出しています。
ストラスアイラ蒸溜所⇒「味わいの中心」
1786年創業のハイランド地方に現存する最古の蒸溜所で、シーバスリーガルの魂そのもの。フルーティでフルボディな味わいはキーモルトとして味わいの中心を担い、調和を生みつつも複雑みを際立たせています。
ロングモーン蒸溜所⇒「味わいのベース」
幅広のユニークな型の銅製ポットスチル(蒸溜器)によるクリーミーさが魅力。味わい全体のベースとなり、滑らかさとともに甘さを際立たせています。
トーモア蒸溜所⇒「最初の味わい」
スワンネック型のポットスチルによるシトラスのフレーバー。最初の味わいとなり、シトラスとフレッシュなオレンジのフレーバーが最初にパッと口に広がります。
アルタベーン⇒「味わいの仕上げ」
クラシックなアルタベーンのスタイルによる微かなスパイシーさが特徴。仕上げとして、温かみのあるスパイス香とともにバランスと繊細さをもたらします。
ブレイヴァル蒸溜所⇒「フィニッシュ」
スペイサイド地方特有のフローラルなスタイルのモルト。フィニッシュとして、蜂蜜の香りやヘザー(低木に咲く紫色の花)のほのかな余韻を感じさせます。
ローンチイベントの会場には、シーバスリーガルブランドを生んだチャールズ・ハワード氏(一番左)にはじまり、現在の名誉マスターブレンダーであるコリン・スコット氏(一番右)までの写真が陳列。新作の背景にある歴史や伝統を強く感じました。
イベントの最後には、名誉マスターブレンダーのコリン・スコット氏とグローバルブランドアンバサダーのマックス・ワーナー氏へのインタビューに成功。今回発表した「シーバスリーガル アルティス」について、コメントをいただきました。
「伝統が培った圧倒的なブレンディング技術を象徴する、まさにプ レステージな逸品。“究極の力”を関するにふさわしい傑作が誕生しました」(スコット氏)
「熟した桃やバニラなどの甘さにクローブやジンジャーのスパイ シーさが複雑に重なり合う、稀にみる完成度の高さです。日本のウイスキーファンに、さまざまなシーンで楽しんでいただきたい」(ワーナー氏)
価格は1本1万5000円ほどとプレミアム感は十分。贈り物には最適ではないでしょうか。また、一本丸ごと買うのは厳しいという人は、バーなどでグラス一杯でも楽しんでみるのもあり。もし見かけたら、“究極の力”を試してみてはいかがでしょうか!
CHIVAS REGAL ULTIS(シーバスリーガル アルティス)
参考価格1万5000円
容量: 700ml
アルコール度数: 40度