コロナ禍を経て息を吹き返した外食トレンドからも目が離せない! 今回はフードライター中山秀明さんと「GetNavi」フード担当・鈴木翔子さんに「進化系焼きおにぎり」「生搾りオレンジ自販機」「冷凍食品2.0」について聞いてみた。
※こちらは「GetNavi」 2024年2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです
■フードライター中山秀明さん
食のトレンドに詳しいフードアナリスト。個人的には「お手ごろうなぎチェーン」が特に激アツだと豪語する。
■「GetNavi」フード担当・鈴木翔子
本誌のフードを5年以上担当。酒好きが高じ、しばしばバーでも働いており、酒トレンドに詳しい。
羽根付きやパエリアなど斬新な味が続々と!「進化系焼きおにぎり」
2023年は行列必至の「ぼんご」インスパイアを筆頭に、高級おにぎり専門店が一世を風靡。2024年はその派生系として“パエリア”や“羽根付き”など、進化系焼きおにぎりも見逃せない。
香ばしくスパイシーな米に旨味たっぷりの生ハムが調和
Atrevío
パエリア焼きおにぎり
ハモンのせ
650円
スペインを拠点に世界展開するハモンセラーノ生産者「カンポフォリオ」が監修し、10月末に生ハム専門店を「コレド室町テラス」に開業。そのメニューのひとつが、パエリア焼きおにぎりだ。
【ヒットアナリティクス】調理工程がカギを握る! 秋の朝ドラ効果で追い風も
「『ぼんご』系の具だくさんで大きなふっくらおにぎりは既視感が否めませんが、調理工程が加わる焼きおにぎりには伸びしろあり! 2024年秋の朝ドラは『おむすび』ですし、追い風も吹く気がします」(中山さん)
先進技術:3 顧客ニーズ:5 市場の将来性:4 独自性:4 コスパ:3
暑い季節に向けていっそうの拡大必至「生搾りオレンジ自販機」
コロナ禍で自販機ビジネスの裾野が拡大したが、その後も首都圏を中心に急増中なのが生搾りオレンジジュースの自販機。暑い時季に向け、より増えていくだろう。
おいしさやライブ感が好評ですでに日本で約150台稼働
IJOOZ JAPAN
IJOOZ生搾り
オレンジジュース
350円
2023年4月に日本に上陸したシンガポールの自販機。現地では820台以上が稼働し、34か国で展開中だ。自販機内で、新鮮なオレンジを4個搾ってオレンジジュースが作られる。オレンジの残数がリアルタイムでわかる機能も搭載し、在庫管理体制もスマート。
【ヒットアナリティクス】ビジュアルの強さとライブ感で心をキャッチ
「自販機自体の見た目のインパクトと、目の前で生搾りされるライブ感で話題に。水・砂糖不使用で素材の味を楽しめる点も好評です。すでに全国に約150台設置される人気ぶりで、2024年には1500台を目指すとのこと」(鈴木)
先進技術:3 顧客ニーズ:5 市場の将来性:4 独自性:4 コスパ:3
市場はまったく冷え切らず、むしろ激アツ!「冷凍食品2.0」
時短で便利、賞味期限が長くてエコなど、冷凍食品市場は年々伸長している。事実、日本冷凍食品協会によると、2021年の冷食国内生産量は前年比102.9%と右肩上がり。こうした需要増に伴い、近年は大手が専門店を開業するほど活況を呈している。
特に新しくてユニークなのが、TSUTAYAなどを展開する企業CCCが2023年12月にオープンした「レンチン食堂」だ。食べ飲み放題となっていて、これが成功すれば全国へと広がっていくことは間違いない。
日本最大級の品揃えを誇る冷凍食品専門店が店舗拡大中!
イオン
@フローズン
イオンリテールが2022年から展開している、冷凍食品の新業態。「イオンスタイル新浦安MOMA」内にある1号店は、日本最大級の約1500品目を揃える。現在、首都圏を中心に全5店舗へと拡大した。
好みの冷凍食品とドリンクを食べ飲み放題で楽しめる
カルチュア・コンビニエンス・クラブ
レンチン食堂
大阪の道頓堀近くに開業。約200種類の冷凍食品と30種類のドリンクがあり、通常プランは45分1200円、アルコールプランは45分1450円で食べ飲み放題に。30種類のお菓子や缶詰が取り放題のクレーンゲームもある。
【ヒットアナリティクス】時短のためではなく“食べたい”で選ぶ時代に
「種類の豊富さと質の向上により、時短以外の目的で冷食を選ぶ人が増加中。冷食の食べ放題イベントでは、キャンセル待ちが最大8000人になったことも。選ぶ楽しさを提供するお店やサービスは要注目です!」(鈴木)
先進技術:3 顧客ニーズ:5 市場の将来性:5 独自性:4 コスパ:3