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2018/1/5 6:30

【西田宗千佳連載】通信前提のSnapdragon搭載PCで「割引販売」は生まれるか

「週刊GetNavi」Vol.62-3

↑HP Envy x2(国内発売未定)
↑HP Envy x2(国内発売未定)

 

2018年前半には、Snapdragonを採用したノートPCが市場に登場する。そのいくつかは日本でも販売されることだろう。では、この種の製品は、ノートPC市場のあり方を変えるほど一気に普及するのだろうか?

 

この先の予想は、非常に難しいものだが、Snapdragonを搭載したノートPCの登場によって、PCの販売形態が大きく変わり、それが普及に拍車をかける可能性は十分にある。

 

Snapdragonを搭載したPCは、「いつでも通信につながっている」ことが最大の特徴となる。要は、スマホやタブレットのような使い勝手になるのだ。実際のところ、本当に同じになるかはわからない。だが少なくとも、外でPCを使う時に、いちいちフリーWi-Fiを探したり、スマホのテザリングを使ったりする必要はなくなる。LTEで直接通信ができるからだ。

 

逆にいえば、PC用の通信契約がないと、Snapdragonを搭載したPCは単なる「ちょっとバッテリーが長持ちするが、動作は緩慢なPC」でしかない。だから、安価なデータ回線契約と組み合わせて利用するのが基本になるだろう。

 

ここで2つの方向性がある。

 

ひとつは「自由に契約を選べる」パターン。自分で好きなSIMを選んで使う、いわゆるSIMフリーの端末という形だ。それどころか、SIMカードを利用せず、PC上からソフト的に契約して使う「エンベデットSIM」を採用した製品も出てくるだろう。マイクロソフトが運営する「Microsoft Store(これまではWindows Storeと呼ばれていた)」では、2017年秋から通信契約も行えるようになっている。必要な時だけ通信契約を「買う」といったスタイルがありうる。この場合には、当然、ハードウエアはそれなりの価格、すなわち、いまのPCと同じような価格で売られることになるだろう。

 

もうひとつは「契約セット」。いまのタブレットと同じように、携帯電話事業者が端末を仕入れ、特定の通信事業者との通信契約をする前提で販売するといったスタイルだ。この場合、自由度はなくなるが、契約が前提となるため、ハードウエア価格になんらかの割引が発生することが期待できる。割引で販売されるタブレットがあるように、PCも割引販売が行われる可能性は高いだろう。「スマホとセットなら割り引く」というパターンも考えられる。

 

通信がセットになるということは、それだけ取りうるビジネスモデルの幅も広がる可能性がある、ということである。特に若年層では「PCはスマホより高い」という認識があって、昨今ではそれが普及にブレーキをかけている部分がある。しかし、通信とセットで割引販売されることによって、PCの購入がこれまで以上に身近になるのだ。

 

では、こうした変化はノートPCだけにとどまるものなのだろうか? そのへんの予測は、次回のVol.62-4で解説していこう。

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