さて、挫折の原因が究明できたところで、筆者としてはiPad Proでモバイル通信ができないことには仕事が不便でたまりません。かといってもう一度3香港を契約し直すのは悔しかったので、現地の通信事業者が提供しているeSIM対応のプランを探してみることにしました。
先ほどと同じように、設定アプリからモバイルデータ通信を開いて、「新規プランを追加」を選択すると滞在先のアメリカ・ネバダ州・ラスベガスで利用できるプランの一覧が表示されます。なお、このプラン選択を行う際にはiPad Proがネットワークに接続されている必要があるので、筆者はホテルに到着してからWi-Fiにつないでセットアップを行いました。もし海外旅行に出かける時に、空港からホテルまでの道のりを通信ネットワークに接続されているiPad Proで調べながら移動したい場合には、あらかじめ空港の無料Wi-Fiなどを使って出発前にネットワークを開通させた方が良いかもしれません。
プリペイドの買い切り契約ができて、1週間前後の滞在なのでデータ容量は少なめでも安く使えるプランを比較検討してみたら、AlwaysOnline Wireless(AOW)の「1GB/7.99ドル(900円ぐらい)/15日間有効」というプランが良さげだったので、これにしてみました。
日本のクレジットカードで決済ができて、eSIMへの書き込みも自動的に完了します。比較検討しながらだったので20分ぐらい時間をかけましたが、迷わず進めば設定完了まで5分もかからなかったと思います。
AOWの通信品質をセットアップ直後にホテルでチェックしたところ、下り側が1Mbps前後、上りはそれにも達しないぐらいノロノロ…。不安いっぱいでしたが、街に出て再度試したところ、下りが50Mbps前後、上りも20Mbps近いスピードをたたき出せていたので安堵しました。メールの確認やネット検索、クラウドストレージへのアップロードなど仕事は不自由なくできました。誤算は1GBをあっという間に消費してしまったことでしょうか。懐にゆとりがあれば3GB/5GBのプランを選んでも良かったかもしれません。
eSIMは渡航するエリアによって使える通信サービスが変わったり、まだ色々と研究が必要なところもありますが、短期の滞在ならiPadやiPhoneをより経済的にオンラインにできる便利な機能だと言えそうです。セットアップが簡単にできるところも魅力的でした。今回持参したiPhone Xには海外で使える物理SIMを挿して使いました。これはこれで不自由はないのですが、eSIMの方がSIMカードを買って取り寄せる手間がいらないことを考えると、自分もそろそろeSIMが利用できるiPhone XSシリーズやiPhone XRに乗り換えるべき時が来たように思います。