デジタル
2019/6/14 20:45

「AWS2019」で見つけた、AIミニカー「DeepRacer」はカーレースの新しいムーブメントだ!

Amazon.comにより提供されているクラウドコンピューティングサービス、「アマゾン・ウェブ・サービス」が主催するイベント「AWS SUMMIT TOKYO 2019」を観に千葉県幕張メッセへ行ってきました。

 

 

このイベントは世界25か国35都市で開催され、アマゾン・ウェブ・サービスに関する情報交換やコラボレーション、学習ができるカンファレンスで、そこでは「AWS DeepRacerリーグ」が開催されていました。

 

これは、毎月開催されるバーチャルサーキットレースにオンラインで参加、そして世界中で開催されるSUMMITサーキットのリアルイベントに参加できる競技大会です。ひときわ盛り上がっているこの大会は、アマゾン社製AIミニカー「DeepRacer(ディープレーサー)」を走らせます。この1/18スケールのレーシングカーは、深層学習、強化学習によって自律走行が可能。車載カメラの映像をもとにAIがアクセルやハンドルを操作していきます。プログラミングには、AWSの機械学習サービス「AmazonSageMakerプラットフォーム」を使用。

↑カメラが付いているフロント。トライアンドエラーで、より正確な運転を目指せるようになります

 

↑こちらがリアとなります。個人的に見た目のデザインがもう少しカッコ良ければと感じました

 

DeepRacerは、強化学習を使ってAIを育てていきます。そのAIを育てるために、ユーザーは3Dレーシングシミュレーター内のいくつかのレーストラックでバーチャル走行を行います。

↑3Dレーシングシミュレーターを使って、レース場でのトレーニング、テスト、反復をすばやく、カンタンにできます

 

バーチャル上で自律走行、つまり「走行方法」を訓練することができます。まずAIは、コースでの走行状況を評価し、「報酬」という数値に変換してポイントを貯めます。コースから外れると報酬が低く、コース上をしっかり走ると報酬が高くなるというふうに。何度も何度も訓練することで、AIは高い報酬を獲得しようと学習していくので走行レベルも上がっていきます。例えるなら、ペットをしつけるような感覚に近いかもしれません。どうすればコースを外れないか、さらにどうすれば速くなるか、そのプログラミングが妙がキモになります。

 

制御・演算するCPUにはIntel・Atomプロセッサ、メモリは4GB RAM。1080p解像度の400万画素カメラ、Wi-Fi、2時間駆動できるバッテリーなど搭載。

 

話をリーグに戻しまして、日本でリアルな場での大会が開催されたのは、初めてにも関わらずブース周りは賑わっていました。AWS DeepRacerリーグ SUMMITサーキットへ参加するには、自身が教育したAIデータを提出してエントリー。そして、データを実機にインストールして走行を検証し、他のレーサーとのスキルを競争できます。ここがユーザーにとって、一番楽しいところでしょう。

↑DeepRacerリーグは大人気。行列ができていて、それだけ注目されている競技だということがわかります

 

↑コース内にドライバーが立ち操作し、レースは1台ずつ4分間走行。車両がコースアウトすると、コース脇にいるスタッフがコースに戻します。これだけのテクノロジーを備えた競技なのに、そこの作業は人力なんですね

 

現状、DeepRacerの車両は日本サイトでの発売はありません。しかし、アメリカのAmazonのサイトでは予約受付中です。定価は約400ドル(約4万5000円)。つらづらと書きましたが、以下の動画を見てもらえれば一番わかりやすいと思います。

 

■AWS DeepRacer TV-Ep1 Amsterdam

世界大会も開催されます。トップのチームはアメリカで今年開催される「re:Invent2019」に無料招待という、なんとも豪華な内容です。

 

とにかく個人的には、DeepRacerを知らなかったので、新たな発見でした。DeepRacerリーグはバーチャルサーキットで、世界中の参加者とも楽しく競え合えます。育成ゲーム系が好きなユーザーには、没入できるかもしれません。このAIミニカーという、“技術の塊”皆さんいかがでしょう? 日本のAmazonで発売されるという話が出てくる日を待ちましょう。