顔のシワを薄くしたり肌の凹凸をきれいにしたり、スマホとアプリの普及で多くの人が気軽に行うようになった写真修正。そんな修正箇所を見つけ出し、しかも元の画像に戻してしまうAIツールをアドビが開発しました。もう誤魔化しがきかない世の中になるのかもしれません。
「めんどくさすぎ!」Facebookが「顔認証」で偽アカ排除に乗り出すもユーザーは動揺
画像を加工する代表的ソフトとして知られるPhotoshopは1990年にリリースされ、プロのフォトグラファーやデザイナーが活用するツールです。そんなPhotoshopを開発したAdobe社が、Photoshopで加工された画像の箇所を見つけ出すツールを開発。Adobeは、画像修正が当たり前になり、事実とは異なる画像情報が多く存在することを問題視しました。
Adobeの研究者がカリフォルニア大学バークリー校の研究者と共同で、AIなどの最新テクノロジーを駆使しながら、このツールを開発。人の顔の表情を変化させるPhotoshopのゆがみ機能(Face Aware Liquify)を使って画像修正した写真から、修正箇所を検出します。
そして人の顔が写った元の写真と修正した写真の2枚を用意し、変更した箇所を探す実験を行いました。人間の目視による修正箇所の発見では正解率が53%だったのに対し、今回開発されたツールでは99%の精度で修正箇所を特定しました。さらにこの加工ツールでは、修正された部位を検出、計算して、元の画像に戻すことも可能なんです。
事実をありのままに
Adobeはこのツールはまだ開発初期段階と明言しており、今後もさらなる開発を進めていくものと思われます。
画像の修整は、ときに人を喜ばせることができるけれど、使い方によっては間違った情報を伝えることにもなりかねません。スマホで写真を撮り、写真の修正が当たり前になったいまだからこそ、「真実を写した画像」を見つけ出すツールが必要になるのかもしれません。