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2019/7/9 13:00

フルサイズキーボードがモバイルで使えるうれしさたるや! 「VAIO SX12」たぶん最速レビュー!

本日、VAIOのラインナップに「新スタンダードモバイル」こと、12.5型ディスプレイ搭載のコンパクトモバイルPC「VAIO SX12」が追加されました。同社はこの1月に、13.3型ディスプレイ搭載の従来モデル「VAIO S13」をスリムベゼル化して14.0型に大画面化した「VAIO SX14」を発売していますが、VAIO SX12もその流れを汲んだ、11.6型ディスプレイ搭載モデル「VAIO S11」の進化モデルとなります。

 

VAIO

VAIO SX12

実売価格24万2773円

VAIOの考える「新スタンダードモバイル」とは?

ただし、ただ大画面化しただけではありません。「VAIO S11→VAIO SX12」が、「VAIO S13→VAIO SX14」と異なっているのは、後者が本体サイズを極力維持して大画面化したのに対し、前者がこの機会にコンパクトモバイルPCの使い勝手を再検証・改善していること。まさに「新スタンダード」を目指した製品なのです。

 

そのキモとなるのが、コンパクト機でありながらキーピッチ19mmのフルサイズキーボードを搭載したこと(VAIO S11のキーピッチは16.95mm)。デスクトップPCに付属するキーボードと同等のキーピッチなので、オフィスや自宅ではデスクトップPCや大型ノートPCを使っているという人でもサイズの違いを気にすることなく快適なタイピングが行えます。

 

↑流行りのスリムベゼルを採用することで、本体サイズの大型化を抑えながら大画面化に成功

 

↑目玉のフルサイズキーボード。本体左右幅一杯にキーボードが拡がっており、なかなかのインパクトがあります(個人的には、このみっちり感、嫌いじゃありません)

 

また、この7月はVAIO株式会社 設立5周年ということで、ボディを同社のコーポレートカラーである勝色(藍色)に染め上げた限定モデル「VAIO SX12 | 勝色特別仕様」も登場。今回はせっかくですので、そちらを使ってレビューしたいと思います。

 

 

コンパクト&軽量なのにフルサイズのキーボードを搭載!?

まずはモバイル志向のコンパクト機ということでサイズと重量をチェックしていきましょう。従来モデルのVAIO S11は本体フットプリントがW283.4×D195.5mmですが、VAIO SX12は、W287.8×D203.3mmとなっています。左右幅が4.4mm、奥行が7.8mm大きくなったということですね。それでもA4サイズよりは小さいので、持ち歩きに困るということはないはずです。ちなみに厚みは+0.1mm(17.9mm→18.0mm)と体感できないレベルの違いしかありません。

 

重量は構成によって異なるものの、いかなる組みあわせでも899g以下とのこと。VAIO S11は最大構成時で約870gだったので、こちらもやや増えてしまっていますが、このわずかなサイズ増、重量増でフルサイズキーボードが搭載できるのなら充分に納得できるのではないでしょうか。

 

↑レビューで試した実機はハイスペック構成だったため、実測で882g(通常モデル)、894g(勝色特別仕様)でした。勝色特別仕様がやや重いのは後述するUVコーティングなどのため

 

なお、本体背面にはVAIO S11同様、カーボン天板を採用。特別な素材を採用することで軽量モバイルで問題になりがちな堅牢性の低下を見事に補っています。

 

↑勝色特別仕様の天板は、カーボン天板を専用のクリア塗料で塗装した後にUVコーティングを施したもの。こうすることで、カーボン天板の繊維の目が浮き上がり、これまで見たことのないような独特な質感を醸し出しています

 

続いては、VAIO SX12自慢のキーボードについて。このクラスのノートPCは、本体サイズを最優先するあまり、17mm前後のキーピッチを採用する製品がとても多いのですが、先に紹介したよう本機はデスクトップPC相当の19mmのキーピッチを確保しています。

 

↑限られたスペースでキーピッチ19mmを実現するため、左ShiftやTabなど、キーボード左端のモディファイアキーの幅がやや狭くなっていますが、実用上問題にはならないはず

 

本体を開くとキーボードの奥がせり上がる「チルトアップヒンジ」構造、打鍵時の音を抑えた「静寂キーボード」など、VAIOならではの利用感の良さもしっかり継承しています。もちろん、バックライト付きなので暗い場所でも快適に使えます。

 

↑チルトアップヒンジ構造のおかげで、利用時には奥から手前に向かって適度な傾斜が付きます

 

↑キータッチはクリック感を残しつつもマイルドな押し心地。長い文章をタイピングしても疲れにくいほか、タイピング音が抑えられているため、静かな場所での利用時にも集中でき、周りに迷惑をかけることもありません

 

なお、勝色特別仕様のパームレストは、自然藍を含んだ染料でカラーアルマイト加工することで、あえて均一でない着色を実現。写真では分かりにくいのですが微妙にムラがあり、それが不思議な味を生み出しています。なお、VAIO曰く、個体ごとに色味も微妙に異なっているとのこと。

 

↑ムラがあると言っても一見してわかるほどではなく、よく見るとわかるというレベル。少なくとも汚いまだら模様ではありません

 

↑パームレスト部の個体差イメージ(VAIO公式ウェブサイトより)。これまでの工業製品ではちょっと考えられないようなアプローチですが、オーナー同士で比べ合うと面白いかもしれません

 

また、プリインストールされる「VAIOの設定」アプリでは一部のモデファイアキーのカスタマイズも可能。Windowsマシンはメーカーによって「Fn」キーの位置などが異なっているのですが、VAIOなら自分の一番使いやすい形に変更することが可能です。

 

さらに、ソニーストアオンラインでは、エンジニア、プログラマーを中心に支持を集める英字配列キーボードを選択可能。私も英字配列派なので(理由:格好いいから)これはうれしいところです。ちなみにVAIO SX12には勝色特別仕様のほか、背面ロゴやオーナメント部分をブラック仕様にした(通常のブラックモデルはシルバー仕様)「VAIO SX12 | ALL BLACK EDITION」も提供されるのですが(オンライン販売のみ)、こちらにはなんとキートップの刻印もなくした無刻印キーボードも用意されます。かなりピーキーな選択肢ですが「全てのブラックが漆黒に染まっていく」な人にはぜひチャレンジしていただきたいですね……。

 

↑英字配列キーボード

 

↑「VAIO SX12 | ALL BLACK EDITION」限定の無刻印キーボード

 

タッチパッドは2ボタン仕様。昨今、海外メーカー製品を中心にボタンレスタッチパッドを採用する製品が増えていますが、VAIO SX12はあえて慣れ親しんだ使い勝手のボタン付きタッチパッドを搭載しています。なんだかんだでボタン付きは誤動作が少ないので、これまで通りの使い勝手を期待してる人には喜ばれるのではないでしょうか。

 

↑VAIO SX12の2ボタン付きタッチパッド
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