いよいよ5G時代がやってきます。シャープは2月17日、5G対応のスマホ「AQUOS R5G」を発表しました。今春に商用サービス開始を予定する5Gですが、国内で対応機器が発表されたのは今回が初めて。各キャリアのプレサービスではソニーモバイルやサムスン製の5G試作機が用いられていましたが、シャープが先駆けて発表したかたちです。
また、5G対応のモバイルルーターもあわせて披露されました。それでは、両製品についてレポートします。
8Kワイドカメラを搭載
AQUOS R5Gのメインカメラは、標準(約1220万画素)+広角(約4800万画素)+望遠(約1220万画素)+ToFの4眼構成。なかでも、広角レンズが「8Kワイドカメラ」として機能し、約120度の広い画角で8K解像度の写真や動画を撮影できます。
撮影した8K映像はGoogleドライブやYouTubeにアップでき、AQUOS 8Kの薄型テレビで再生可能です。いずれはノートPCのdynabookでも再生・編集ができるよう開発しているとのことでした。
また、被写体に自動でズームする「フォーカス再生」を搭載。AIが人物やペットを識別し、被写体をアップして再生してくれます。機能について、人は写真や動画を見るとき、まず全景を捉えてから個々の被写体を見るとし、自然な視線移動を考えた機能であると説明していました。
さすが8Kなだけあって、被写体を拡大しても解像度はまったく落ちず。たとえば、子どもの運動会のときなどに活躍しそうな機能です。
その他、ポートレート撮影やToFカメラを使ったARコンテンツも楽しめます。撮影モードによってレンズの組み合わせを変えて最適な設定で撮影できます。手ブレ補正にも対応します。
YouTuberという職業が成り立ち、人気を獲得しているように、これからは「動画」コンテンツがますます求められる時代です。シャープも前モデルの「AQUOS R3」の発表時から、5G時代では写真や動画によるコミュニケーションが活発になるとして、動画機能を強化してきました。
8Kカメラを搭載した今回のAQUOS R5Gは、5Gで通信できるだけでなく、「5G通信でできること・求められること」に対応するスマホです。また、撮影・編集・共有がかんたんに行えるエコシステムを開発中とのことで、シャープは今後もビジュアルコミュニケーションに力を入れていくでしょう。
映像表現のためのディスプレイ
ビジュアルコミュニケーションに特化するなら、再生するディスプレイも適したものでなければなりません。
AQUOS R5Gは、「Pro IGZO」ディスプレイを採用。10億色を表現でき、HDRコンテンツを忠実な色彩表現で楽しめます。また、再生するコンテンツ内容に応じて、バックライトの明るさやトーンを調整する「HDRエンハンサー」、周囲の明るさに応じて色合いを最適化する「スマートカラーマッチング」を搭載します。
これらは「ダークモード」のように目の負担を軽減することよりも、最適な映像表現を提供することを目的としています。映像を楽しむことに、とことんこだわった機能といえますね。
その他、本体は縦162×幅75×厚さ8.9mm、重量は189g。サイズ自体はふつうのハイエンド機ほどで持ちにくさは感じません。ディスプレイ下にホームボタンを搭載しているのが、まさにAQUOSスマホといった感じです。
CPUはクアルコムのSnapdragon 865 5Gを搭載。処理性能は従来機より25%向上しました。メモリはRAM12GB、ROM256GB、バッテリー容量は3720mAhとなっています。IPX5/8、IP6Xの防水・防塵性能を備えています。顔認証、指紋認証、おサイフケータイにも対応します。
肝心の発売時期や価格は未定ですが、「5Gサービスの開始と同時期」に、「一般的なハイエンドモデルと大きく変わらない価格」で提供したいと説明していました。
5Gをシェアするモバイルルーター
あわせて発表されたのが5G対応のモバイルルーター。サブ6とミリ波の両方に対応し、ミリ波の受信感度を高めるために3つのアンテナを内蔵します。受信時最大約4Gbps、送信時最大約0.8Gbpsの通信が可能です。
Wi-Fi6に対応し、最大16端末を同時に接続できます。またUSBポート、LANポートを搭載。無線と有線の同時使用もできます。
外出先でのweb会議のほか、セミナーやイベント会場など一時的に回線が必要となる場所での活用が想定されています。こちらも価格や発売時期は未定です。
実際のデバイスを見ると「5G時代もいよいよか」と実感しますね。今回はシャープが先駆けて発表しましたが、春のサービス開始に向けて他のメーカーも追随すると予想されます。5Gサービスの開始はもう目前。今後もメーカーやキャリアの動きに注目です。
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