デジタル
2020/3/16 20:00

網膜に直接映像を照射する新AR体験「RETISSA Display II」が未知の世界すぎる

シードは、QDレーザが製造する、網膜走査型ディスプレイ「RETISSA Display II」の取扱いを3月16日に開始しました。同製品は、超小型プロジェクターで網膜に直接映像を照射し、見たいものを目に映すヘッドマウントディスプレイです。

↑RETISSA Display II

 

目の前に配置したディスプレイに投影した映像を、視力を使って見る、従来の透過型スマートグラスは、仮想スクリーンに投影された映像を視認するため、視力やピントに依存。実視界と映像の間にピントずれが生じやすく、眼の疲れの原因となるピント調節が頻繁に起こるなどといった問題点がありました。本製品はこのような問題を解決するため、映像を網膜に直接投射することにより、映像と背景の両方を同時に見ることができる新技術「VISIRIUM(ビジリウム)テクノロジー」が搭載されています。この技術により、実視界とピントの齟齬がなく、ピント移動の必要もない、新しい“AR体験”が楽しめます。

↑従来の透過型スマートグラス(イメージ)

 

↑VISIRIUMテクノロジー(イメージ)

 

VISIRIUMテクノロジーによる網膜投影は、原理的に近視・遠視・乱視・老眼などがあっても矯正をすることなく画像を見ることが可能で、例えば普段コンタクトレンズを付けている人でも、裸眼で投射画像を見られます。ただし、緑内障や白内障など、目の持病がある人は、念のため眼科医に相談したほうがよいとのこと。

 

網膜に直接レーザーの光を照射するので、安全面が気になるところですが、シードに問い合わせてみたところ、蛍光灯の光が壁や机に反射した光よりも弱い、国際規格で定められた微弱のレーザーを使用しており、消費生活用製品安全法「PSCマーク」も取得しているので、健康被害などの問題はないそうです。また、連続装用時間についても、特に定めてはいない(強いて言えば最大180分程度のバッテリーが切れるまで)とのことでした。

 

まったく未知なる体験ができそうな“新たな勢力”の登場で、AR体験がどうなっていくか、今後も楽しみです。