デジタル
2020/6/27 7:00

【西田宗千佳連載】新型コロナウィルスが加速した「ビデオ会議」時代

Vol.92-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、ビデオ会議。新型コロナウィルスの流行によって、急速に拡大した新しい働き方の背景を解説する。

 

 

水面下で起きていた「緩やかな変化」とは

我々の生活は、ようやくゆっくりと新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響から脱しようとしている。とはいえ、流行の第二波・第三波がやってこないと考えるのは難しい。また「巣ごもり中」の体験から、生活をアップデートしなければならないという知見も得ている。

 

そういう意味で、今後も増え続けるだろうし、定着すべきだと考えられているのが「テレワーク」であり「ビデオ会議」だ。以前のように誰もがオフィスに出る必要はない。必要があるときはオフィスに行き、そうでないときは無理して行かなくてもいい……という流れに、働き方をアップデートすべきだろう。満員電車は誰にとっても辛いものなので、技術によって回避できるなら、それに越したことはない。PCの出荷も前年比150%近くまで増加、という話が伝わってきており、テレワーク需要の大きさを感じさせる。

 

というわけで、ビデオ会議に使える機器やサービスの需要は、今後も広がるのは間違いない。ビデオ会議サービスとして一躍注目を集めた「Zoom」はもちろん、マイクロソフトの「Teams」やグーグルの「Meets」などの競合サービスまで、その価値はさらに高まるはずだ。そして、それらのサービスで使う「ウェブカメラ」にも注目が集まっている。

 

ソニー  VLOGCAM ZV-1/実売価格9万9900円/発売中

 

特に加速しているのがカメラメーカーの動きだ。カメラメーカーは、自社の一眼レフなどをPCに接続し、ウェブカメラ代わりに使用できるソフトを次々と発表している。PCに搭載されているカメラはこれまで、非常に中途半端な位置付けだった。スマホのように「自撮り」ニーズがあったわけでもなく、ビデオ会議もそこまで大きなニーズだったわけでもないので、何年も「とりあえず付いている」レベルの画質のままだった。だが、ビデオ会議が一般化したことで、「もっと良い画質を」と望む声が出てきた。その結果として、「カメラをPCにつないでビデオ会議に使う」システムが広がりを見せているのだ。

 

一方、たまたまそうした流れにうまく合致した製品もある。ソニーの新カメラ「VLOGCAM ZV-1」がそれだ。もともとは、YouTuber界隈の盛り上がりを見て製品化が進められてきたものだったが、ビデオ会議のニーズ拡大も後押しし、うまく時流に乗れた感がある。おそらく今後カメラ製品を出すときには、「ビデオ会議やVlogにどう役立つのか」といったことも、現在以上にアピールされるようになるだろう。

 

では、PCやカメラはどう変わるのだろうか? 実は今回のことがなくても、「変化はすでにゆっくり起きていた」のだと思っている。カメラの世界では、写真だけでなく「いかにライブ動画を撮影するか」という機能がYouTuberを中心に評価され、製品の売れ行きに影響を与えるようになっていた。PCも、マイクロソフトやデルなどがウェブカメラの高解像度化・暗所性能強化を進め、「ビデオ会議に強い製品」としてアピールをしていた。今後はそうした要素が当たり前のものになる。

 

では具体的に、どの製品のどの機能が、「ビデオ会議時代」を見据えて生まれていたのだろうか? そして、今後どのような要素が重視されるのか? そこはウェブ版で解説していく。

 

 

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