ARやVRやMRといった、現実とバーチャルを結びつけるデバイスの進化が著しい昨今、MRデバイスとして注目を集める「Magic Leap 1」を活用したファンタジーコンテンツ「code name:WIZARD(コードネームウィザード。以下WIZARD)」が現在、開発されています。
WIZARDは、「もし現実世界で魔法を使えたら」をコンセプトに、プレイヤー自身が魔法使いとなって楽しめるコンテンツ。先日、メディア向け先行体験会が開催されたので、その様子をお伝えします。
MRにしかできない遊び方を追求
体験会は“エピソードゼロ”と題して、現実世界とバーチャルが融合したMR(Mixed Reality。複合現実)空間で、「MRならではの遊びとは何か?」をテーマにしています。
魔法の世界が見えるようになる「マジック・サーチャー」(=Magic Leap 1)と、秘めた魔力を引き出す「マジカル・リング」を身につけて、同コンテンツを開発しているカクシン本社の“魔法使いの部屋”を歩き回りながら、魔導書から逃げ出した妖精「ティッキー」を捕まえる、“ストライダー契約の儀式”が行なわれました。
まず、マジック・サーチャーとマジカル・リングを開発した「Xカンパニー」の案内役(キャスト)が3人登場し、マジック・サーチャーと魔法の力について説明したり、マジカル・リングに魔力を込めたりしました。オープニングから、ディズニーやハリーポッターのようなワクワク感をそそる演出で、テンションが上がります!
マジック・サーチャーの前方部分は、触ると「魔力が暴走して大変なことになる」と説明されていましたが、そう言われると「どう暴走するんだろう…?」と逆に触りたくなりますが、そこは我慢……。
今回のエピソードゼロは2人1組で行なわれました。部屋の中にある1冊の本を開いたところで、封印されたティッキーたちが飛び出し、散策がスタートします。
この、通常だと何もない空間ですが、部屋の至る所にティッキーがいるんですよ! 実際にそこにいるかのように、フィギュアのように存在しているのです。
ティッキーのいる場所にマジカル・リングを装着した手をかざすと、リングが光ってティッキーを捕まえられます。それぞれの場所に目線を向けたり、手をかざしたりすると、ボイスやサウンドも聞こえてきます。
どこかに隠れていたり、ちょっとした謎解き要素もあったりで、筆者たちが挑戦したときは、無事にすべてのティッキーを捕まえることができました!
ちなみに、マジック・サーチャーことMagic Leap 1のMR体験を実際にやってみて思ったことは……意外と本体が軽くてビックリ! VRのHMDなどと比較すると非常に軽いです。しかし、しっかり同機を頭部に固定したつもりでも途中で落ちてきそうになったり、視野角の問題でティッキーやエフェクトなどのMRコンテンツが端の方で切れることがあったのが気になったりしました。このあたりは今後の改善ポイントとして一層洗練されることを期待したいですね。
……が、それを踏まえても非常に“非日常感”があり、本当に魔法が出てきたり、ティッキーを掴んで持ち上げたりできそうな、現実とバーチャルの区別がつかなくなるような没入感がありました。
ちなみにWIZARDは、サウンドなども含めてすべてカクシンの社内で開発された純度100%の内製コンテンツで、先ほど登場した案内役のキャストの方も、なんと、カクシンの開発スタッフだそうです!
今後の展開
WIZARDはテーマパークなどでの展開を予定していますが、最速で体験できるのは、現在開催されているCAMPFIREでの支援リターンです。クラウドファンディングの詳細については記事下部にある関連リンクをご覧ください。
今回のエピソードゼロは前述の通り“MRならではの遊びとは何か”という点にこだわって作られたので、VRでも成立しそうなコンテンツ、例えば「ボスを倒そう!」的な案もあったのですが、ボツになったとのこと。しかし、この先の続編もずっとMRだけでやっていくのではなく、例えば次回はVR、その次はARなど、MRだけに留まらない“XR”(クロスリアリティ)で展開していく予定だそうです。人数も今回は2人でしたが、次回は4人協力なども考えており、今後は“謎解き”なども考えているのだとか。
筆者も今回体験してみて、昨今ブームの「謎解きゲーム」とは非常に親和性が高そうだと思いました。謎解きゲーム自体はアナログ度の高いコンテンツですが、MR導入でまさかの“近未来的コンテンツ”に化けるかも!?
そう考えるとテンションが上がり、今後が楽しみになってきました……が、まずは皆さんぜひMRだけでも体験することをおすすめします。MRは「リアルとヴァーチャルの境目とは何か」を考えさせてくれます。クラウドファンディングは8月9日まで!
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