デジタル
2020/11/24 7:00

【西田宗千佳連載】「秋の5Gスマホ祭り」に合わせて5Gエリアは拡大する

Vol.97-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「5G」。2020年の一大トレンドとして注目された5Gだが、実際どうなっているのか。現状と課題を解説する。

 

5G端末は続々と登場中でもエリア整備は途上

2020年のスマホ業界のトピックと言えば、やはり「5G」だ。グーグルの「Pixel」も5Gを重視して低価格モデルにシフトし、iPhoneも新機種「12」はすべて5G対応になった。2020年も前半は一部機種が5G対応、というところだったが、後半は各事業者の5Gシフトも本格化し、製品のほとんどが5Gになってきている。

 

一方で大きな課題もある。5Gには「エリア」の問題がつきまとうのだ。現状、東京や大阪などの都市圏であっても、5Gでどこでも高速に通信ができる……という状況にはほど遠い。「新しい端末は欲しいけれど、まだエリアが未整備なのに5G向けプランへ切り替える必要は本当にあるのだろうか?」

 

そう考えるのも当然ではある。筆者は春から5G契約でスマホを利用しているが、5Gで満足に通信ができたことはあまりない。秋になって以降「5G」の表示を見ることは増えたものの、まだまだ5Gらしい通信速度で使えるわけではない。過去、3Gが始まるときも4Gが始まるときも、新規格で通信が十分に行えるようになるにはかなりの時間がかかった。今回も同じように数年が必要だと思う。

 

特に現在では、4Gであっても非常に快適な速度で利用できる。日本のインフラは世界的にも異例なほど「どこでも安定して高速通信できる」状況であるがゆえに、5Gの必要性をあまり感じていない人が多い状況であることは事実だろう。

 

だが、携帯電話事業者の視点で見れば、5Gへの移行は「必然」だ。彼らは収益を高めるにも、サービスを充実させるにも、高効率な通信技術へ移行する必要がある。結果として、利用者の多くに対してより低コストに通信を提供できるようになるわけだ。

 

Google Pixel 5 /実売価格7万4800円

 

いま5G端末へ移行するメリットは「使い放題」

5Gというと、我々はまず「スピード」に着目する。しかし消費者の多くは、スピードが速くなるだけではお金を払ってくれない。「便利になる」「おトクになる」からサービスを切り替えてくれる。または、使いたい端末が出てくるから移行を考えるのである。iPhone12やPixel 5、Galaxy Z Fold2などの魅力的な端末の存在は、5Gにとって重要なものなのだ。だから、「端末が欲しいけれど……」というのは、まさに「ニワトリと卵」ではある。

 

ただ、携帯電話事業者は5G契約を大容量・使い放題に近いプランで設定している。5Gになるとそれが効率的なのだが、5Gを契約したからと言って4Gが使えないわけではないので、結果的に4Gが使い放題になる。現在の5G契約では、これが最も大きな価値となっている。

 

2020年の1月、コロナ禍がスタートするまでは、「オリンピックに合わせて会場の周りだけは5Gのエリア化を頑張ろう」だったのだが、延期によってそれも不要になった。加えて、今秋にはiPhone12が登場し、さらには安価な5G端末も揃い始めるとわかっていたので、エリア拡大や販売促進のターゲットも年末から来春にかけてに絞っていくのは当然と言える。

 

では、これから日本で使える5Gの特徴はどうなるのか? エリア化進展と通信速度の関係は? そうした部分についてはウェブ版で解説していきたい。

 

 

 

 

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