NTTドコモとau、ソフトバンクの3キャリアが発表した月額2500〜3000円で月20GBを使えるオンライン専用の通信プランが大いに話題になっている。3月からの提供開始を前に、その概要について確認しておきたい。
※こちらは「GetNavi」 2021年3月号に掲載された記事を再編集したものです。
20GB・2980円が新時代の標準になるか
オンライン専用プランに関して先陣を切ったのが、NTTドコモだ。同社は20年12月3日に新プランの「ahamo(アハモ)」を発表。21年3月に提供を開始する。同プランは月額2980円で月20GBが利用でき、通信量を使い切ったあとも最大1Mbpsで通信可能など、これまでにないコスパの高さが目を引く。一方で、申し込みやサポートなどは基本的にオンライン限定。キャリアメールが使えないなど、ユーザーが注意すべき点は多い。
ソフトバンクは、20年12月22日に、「SoftBank on LINE」なるブランドコンセプト名とプラン概要を発表し、21年3月に提供予定とした。MVNOの「LINEモバイル」を前身とするサブブランドで、正式なブランド名は決定次第公表される。なお、ソフトバンクは21年3月にLINEモバイルの100%子会社化と吸収合併の検討も進める。この新ブランド提供に伴い、LINEモバイルは新規受付終了が協議されている。
21年1月にはauも「Povo(ポヴォ)」を発表。こちらも提供は3月予定。他社より基本料が500円安いほか、200円で1日通信し放題になるような「トッピング」という仕組みを用意する点にも注目。パートナーシップを結んだCircles Asia社との連携を生かした形となっている。
手続きや各種サポートはオンラインに限定。対面サポート省略で値下げを実現
オンライン専用プランでは、原則として店舗サポートが用意されない。手続きがオンラインに限定される反面、そのぶん低価格で利用できる。
<オンライン限定プランのギモンに答えます>
【Q1】契約手続きはどうやる?
A1:ウェブサイトやアプリから申し込もう
オンライン専用プランは、店頭からの新規申し込み手続きができない。申し込みは基本的に専用サイトやアプリなどから行う。例えば、ahamoでは契約者は20歳以上という条件があり、20歳未満の場合には保護者が契約を行う必要がある。
【Q2】故障した場合はどうする?
A2:一部の緊急対応は例外的に電話窓口対応なども予定
オンラインチャットによる手続きが原則。ドコモの場合、端末故障時や紛失・盗難時などの緊急対応については専用電話窓口でのサポートが受けられる場合もあるという。au、ソフトバンクは緊急時の電話窓口対応の有無について現状、明言していない。
【Q3】海外ローミングは使える?
A3:ahamoでは利用できるとされる
ahamoでは、アメリカやヨーロッパ諸国など海外82の国・地域で、追加料金がかからず月20GBまでモバイル通信を利用できるとされている。一方、auのpovoやSoftBank on LINEは、海外ローミングの利用可否についていまのところ未公表。
【Q4】家族割は適用される?
A4:基本は非適用だが、ahamoは頭数としてカウントされる
オンライン専用プランはどれも家族割が適用されない。ただし、ahamoは料金の割引こそされないものの、家族割に含まれる回線としてはカウントされる。家族が「ギガホ」などを契約している場合、恩恵を受けられる。
【Q5】料金はずっと一定?
A5:基本料金はずっと一定でわかりやすい
ahamoとSoftBank on LINEは月額基本料は2980円で、povoは2480円。これらは数か月間限定の割引などが設けられていないため、1年後はいくらになるのかなどの計算は不要だ。ただし、無料時間ぶんを超過した通話料などは別途発生する。
【Q6】5Gも使用できる?
A6:4Gだけでなく、5Gも使えるとの説明あり
サービス提供開始前ゆえに、実際に利用した際の通信速度については不明だが、ahamo、SoftBank on LINEについては当初から4G/5G回線を利用できると説明されている。povoも夏から5Gに対応予定。
【オンライン専用プラン 向いているのはこんな人】
契約などの各種手続きを自力で調べて進められる
ブラウザやアプリからの手続きを抵抗なく行えるような、ある程度のITリテラシーを持つ人向き。また、キャリアメールがないので、フリーメールなどをすでに活用していると移行が楽だ。
●本特集の情報は1月15日時点のものです