デジタル
パソコン
2021/5/7 19:45

【西田宗千佳連載】Chromebookは「家庭向けネット端末」としてタブレットに取って代わる存在に

Vol.102-3

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「Chromebook」。素早く低コストに使える魅力的な端末は仕事よりも個人向けとして優れたものだった。

 

Chromebookが教育市場で普及し始めたのは、「管理のしやすさ」と「コストパフォーマンスの高さ」が支持されてのことだ。ここでいう「管理のしやすさ」とは、主にトラブルからの復帰やアップデートのシンプルさ、マルウェア対策などのことを指している。

 

Chromebookは現状、OSがシンプルな構造になっているので、OSアップデートがPCやタブレットに比べて短時間で終わる。マルウェアは「まったくない」というと語弊があるが、ローカルではアプリやデータをあまり使わない設計であることもあって、Windowsなどに比べるとリスクが低い。OS・サービス側が用意しているものを使う形で十分だ。データがクラウドにあることが前提で、OSがシンプルであるということは、仮に機器が故障などで入れ替わってゼロから再セットアップすることになっても、より短時間で元に戻る。学校や企業では、ここからさらにメールアカウントやスケジュール、文書の一括管理のしやすさといった要素が入ってくるのだが、個人ユースだとまあ、それはまた別の話になる。

 

どちらにしても、「OSなどの管理」はある種の必要悪であり、多くの人にとってはしたくないことのはず。その点において、Chromebookは「個人向け」として優れている。

↑レノボ IdeaPad Duet Chromebook/3万8438円

 

特に、コンテンツの閲覧を中心に用いるのであれば有利だろう。Flashが無くなったいま、Chromeで閲覧できないコンテンツはほとんどない。Chromebookの使っているChromeはスマホ版よりもPC版に近いので、PCの感覚でウェブコンテンツを見るのには向いている。動画も同様だ。「動画をダウンロード視聴する」ことは難しいし、できないこともあるが、YouTubeはもちろん、Netflixなどのサブスクリプションサービスも問題なく視聴できる。

 

さらに、Android用のアプリが使えるのもポイントだ。動画視聴や電子書籍の閲覧、ゲームなどにはAndroidアプリを利用してもいい。

 

ただし、ChromebookでのAndroidアプリの動作は現状、完璧とは言い難い。対応していないサービスや、動きはするが想定どおりの動作にならないものも少なくないからだ。理由はおそらく、Chromebookがまだ日本ではメジャーではないため、アプリ開発側での動作検証が追いついておらず、利用者への情報提供も不足しているからだろうと思われる。この辺は、多数のメーカーと提供環境が入り混じるAndroidの弱みでもある。

 

とにかく、個人が「コンテンツを楽しむ低価格でシンプルなコンピュータ」として、Chromebookは意外と優れている。家庭内で仕事以外のことに用いるネット端末として選ぶのもいいだろう。

 

別の言い方をするなら、これは過去に「Androidタブレットが担っていた領域」そのものでもある。Androidタブレットはいまも存在しているが、Googleはもう製品化の意志がなく、手がけるメーカーも減ってきている。そこを埋めているのがChromebookという言い方もできるわけだ。

 

では、他社はChromebookにどう対応しようとしているのだろうか?特にマイクロソフトは?そのあたりは次回、解説したい。

 

週刊GetNavi、バックナンバーはこちら

TAG
SHARE ON