デジタル
2022/4/16 11:30

2022年のバズワード「メタバース」とは何か――メタバースとVR・ARとの違いって?

メタバースはVRやARと何が違うのか

 

「VR(仮想現実)」とは…

VRゴーグルを装着して現実に近い世界に没入

VRは「Virtual Reality」の略。VRゴーグルを装着すると、限りなく現実に近い世界に没入できる感覚が得られる。ゲームやライブなどのエンタテインメントの世界が先行しているが、教育分野や、遠隔地から手術や治療を支援する医療や介護などにも活用が広がっている。

 

↑没入するためにはVRゴーグルが必須。初期のモデルは映像と音声の遅延による“酔い”が課題だったが、最新モデルでは改善されている

 

「AR(拡張現実)」とは…

実風景に視覚情報を重ねて目の前の世界を拡張する

ARは「Augmented Reality」の略。VRが作られた映像などの世界に没入されるのと異なり、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を“仮想的に拡張する”というもの。代表的なものに「ポケモンGO」がある。

 

↑ARは家具やファッション業界が注目。スマホアプリを利用してバーチャルで導入イメージをつかむことができ、購入前の検討に役立つ

 

「メタバース(仮想空間)」とは…

アバターを作って生活する人工的な生活空間

「Meta」と「Universe」を組み合わせた造語。自身のアバターを作成し、ネット上に構築された人工的な生活空間で行動するのが基本。相互にコミュニケーションしながら買い物をしたり、メタバース内で商品を製作・販売したりといった経済活動を行うこともできる。

 

↑自分が設定したアバターを仮想空間のなかで自由に動かせる。現在はゲームの世界が一歩リードしているが、ビジネスシーンなどにも活用可能

 

メタバースの世界でよく出てくるワードを解説

 

【Word 1】アバター

メタバースの世界では自分の姿は自由に選べる

自分の分身として活動するキャラクター。メタバースの世界では、自分のアバターを作成することが第一歩となる。自分の姿をリアルに再現する必要はなく、顔や肌の色、服装なども自由に選べ、仮想空間での“自分”となる。

 

↑メタバースプラットフォーム「cluster」でのアバター作成シーン。顔のパーツは細かく選ぶことができる。服装も自由に設定可能だ

 

【Word 2】プラットフォーム

メタバースの土台となる基本的な実行プログラム

メタバースの世界を構築するために必要なプログラム。Metaやマイクロソフトなども参入し、その覇権争いは激化中。ただしメタバースが普及するには、特定のプラットフォームに頼らないオープンソースのサービスが必要にもなる。

 

↑プラットフォームのひとつであるVRChatを使用した、バーチャルマーケット。好きな空間で他のアバターとの交流が楽しめる

 

【Word 3】XR

VRやARなどを統合したメタバースに必須の技術

XRとはクロスリアリティの略で、VR、ARに加えてMR(複合現実)の総称。デバイスの進化による解像度の向上や5G回線などによる高速通信により、現実の映像とバーチャルの世界の融合が進んでいる。メタバースには欠かせない技術だ。

 

↑XRがより進化すれば、実物と見分けがつかない立体映像をホログラムで表示できるようになる。メタバースの発展に欠かせない要素だ

 

【Word 4】デジタルツイン

現実世界の環境をコピーし仮想空間のなかで再現する

リアル(物理)空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを基に仮想空間でリアルの空間を再現する技術。現実世界の環境を仮想空間にコピーする鏡のなかの世界のようなイメージで、“デジタルの双子”の意味の通りだ。

 

↑デジタルツインの導入効果が期待されるのが製造業。物理空間の情報を反映した仮想空間のなかで製品を試作することが可能だ
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