各ジャンルの有識者たちに“栄誉ある”金字塔的アイテムを聞き込み。最新のテクノロジーを結集したベストバイをドドンと紹介していく!!
トレンドのデジタルガジェットを、各ジャンルに精通するプロがレコメンド。新商品のなかでも、後世に残る“傑作”の数々を紹介する。いま何を買うべきか、迷った際の指針にしてほしい!
※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。
その1 処理能力が飛躍的に高まり画像調整や動画の編集がサクサクできる!
【ノートPC】
Apple
MacBook Pro
23万9800円〜(14インチ) 29万9800円〜(16インチ)
新開発チップ「M1 Pro」「M1 Max」の搭載により処理性能が向上。ミニLEDバックライトを採用した液晶ディスプレイを備え、高輝度・高コントラストを実現した。M1チップの13インチモデル(14万8280円〜)もあり。
SPEC●チップ:Apple M1 Pro/Apple M1 Max●ディスプレイ:Liquid Retina XDRディスプレイ●サイズ/質量:W312.6×H15.5×D221.2mm/1.6kg(14インチ)、W355.7×H16.8×D248.1mm/2.2kg(16インチ/M1 Max)
私が激推しします!
MacBook Proをテストした編集部・上岡は、ポテンシャルの高さに驚きを隠せない。
「一昨年にM1チップが発表されたときも驚きでしたが、M1 Pro/Maxはそれを上回る衝撃を受けました。いずれのチップもその飛躍的な性能で、画像や映像のプロのハイレベルな要求に応えてくれます。負荷が軽い作業は2つの高効率コアが行い、8つの高性能コアが負荷の高い作業を受け持つM1プロセッサの採用で処理能力が飛躍的に高まり、画像調整や動画の編集も実にスムーズ。私も趣味で一眼レフで撮った4K動画を編集するのですが、自分のPCだととてつもなく時間がかかります。でも、本機で試したところ、半分以下の時間で作業完了。YouTuberなど、日々動画を撮影して配信している人には力強い相棒になるでしょう」
また、画質の向上も見逃せない。
「ディスプレイの進化ですね。14インチ、16インチともにハイコントラストなLiquid Retina XDRを搭載。ダイナミックレンジが広いので、風景写真などの編集の際、夕景の微妙な光加減も的確に表示してくれます。また、SDXCカードスロットが復活して、写真や動画のデータが取り出しやすくなったことも特筆!」
直感操作をできるマウスでさらに作業効率アップ!
Apple
Magic Mouse
8800円
表面を指先で触れることで様々なジェスチャー操作が可能なマルチタッチセンサーを搭載。ウェブページのスクロールなどに便利だ。昨年発売の最新モデルから、編み込み式のUSB-C – Lightningケーブルが同梱する。
その2 ハイスペックなカメラ機能を備え撮影の仕事にも使える
【スマートフォン】
ソニー
Xperia PRO-I
実売価格19万8000円
1.0型イメージセンサーを搭載するモデル。同社ミラーレス一眼や上位コンデジなどのパーツやテクノロジーを受け継ぐとともに、4K HDR対応有機ELディスプレイや即時データ伝送を行える5G通信機能を備える。
SPEC●CPU:Snapdragon 888 5G●内蔵メモリ:12GB(RAM)、512GB(ROM)●カメラ:約1220万画素/約800万画素●ディスプレイ:約6.5インチ有機EL/4K/21:9/HDR対応/120Hz駆動●サイズ/質量:約W72×H166×D8.9mm/約211g
私が激推しします!
カメラ機能に特化したスマホの人気が高まっている。なかでも「PRO」の名を冠し高い撮影性能を誇るXperia PRO-Iを、井上さんは推す。
「約20万円と、決して安い買い物ではありません。パッと見、エントリークラスのXperiaと大きな違いはありませんが、中身はネーミングが示すように、静止画や動画を高い次元で追求するプロも納得のモデル。単に1インチセンサーのカメラを搭載しただけではなく、ハイレベルな用途を想定した撮影アプリも備わり、仕事道具として十分活躍します。また、シューティンググリップや外付けディスプレイなど、周辺機器も豊富なので、予算があれば柔軟な使い方に対応可能です」
どのように使うかのイメージもすでに広がっている。
「YouTubeやSNSなどに戦略的な動画投稿をする機会があるのならば、凝った動画を撮影するうえで、ぜひ入手して利用したいです。5Gにも対応しているので、容量無制限の通信プランなどを契約しておけば、現場で撮影したデータをその場で共有することもできるでしょう。これまではいくつものプロ用機材を使わなければできなかったことがスマホ一台で完結するのはスゴいことです」
トリプルカメラを搭載で7万円弱のハイコスパスマホにも注目!
Xiaomi
Xiaomi 11T Pro
実売価格6万9800円(8GB+128GB)
日本初登場のXiaomi旗艦モデル。7万円弱ながらSnapdragon 888を搭載し、1億800万画素メインを含む3眼カメラも備える。生活防水やおサイフケータイ対応など、使い勝手も抜かりない。
その3 他の追随を許さないアプリ数で多様な楽しみ方が広がる
【VRヘッドセット】
Meta
Meta Quest 2
実売価格3万7180円(128GB)
完全ワイヤレスのオールインワン型VRヘッドセット。VR機器として世界トップシェアを誇る。昨年8月には、64GBモデルに代わり、価格据え置きで128GBモデルが登場し、実質的な値下げとなった。
SPEC●充電時間:約2.5時間●稼働時間:2〜3時間●RAM:6GB●ディスプレイパネル:高速スイッチLCD●ディスプレイ解像度:片目あたり1832×1920ピクセル●サイズ/質量:W191.5×H142.5×D102mm/503g(ヘッドセット)
私が激推しします!
VRデバイスに精通する武者さんも、Meta Quest 2は傑作だと評する。
「単体で使えるアプリの豊富さが圧倒的。『Oculusストア』と『App Lab』を合わせると1100以上のアプリが配信中で、ライバル機をまったく寄せつけない領域に達しています。例えば、ソーシャルVRアプリの『VRChat』なら、リアル空間を再現したワールドや、異世界感たっぷりのワールドが目白押しで、開放的なバーチャルツアーを楽しめます。長期化するステイホームでストレスが溜まっている人は、一度試す価値アリです」
活用の幅はエンタメ以外にも。
「2DのブラウザーやAndroidアプリ画面の複数表示も可能。対応するワイヤレスキーボードと併用すれば、マルチモニター環境をどこにでも持ち歩き仕事できます」
VRの課題である“酔い”も本機では改善されているという。
「本機はゲーミングPCと接続時に、最高120Hzのフレームレートの映像を表示。高品質で滑らかな映像体験ができ、酔いにくさにもつながります。マッチするなかで最廉価なのが、ASUSのゲーミングPC。GPUの高騰が続いているので、手ごろに入手できるいまが買いどき!」
ゲーミングPCと接続すればVRコンテンツがよりリッチに!
ASUS
TUF Gaming F15 FX506HM
実売価格18万9800円(FX506HM-I7R3060BEC)
Core i7搭載のゲーミングPC。GPUはNVIDIA GeForce RTX 3060を採用し、専用ケーブル「Oculus Link」と接続すればPCVRを楽しめる。メモリ16GB、ストレージ512GB(SSD)。
その4 auキャリアのLTE内蔵でスマホと同じ番号で利用可能
【スマートウオッチ】
サムスン
Galaxy Watch4
実売価格3万8764円(40mm LTEモデル)
au取り扱い店にて販売中のLTE対応スマートウオッチ。KDDIが提供するサービスに加入すれば、単体で通話やメール、インターネットが利用できる。Googleと共同開発した新OSを採用し、音楽や健康など豊富なアプリも魅力。
SPEC●ディスプレイ径:約30mm●バッテリー容量:247mAh●最大使用時間:約40時間●内蔵メモリ:1.5GB(RAM)、16GB(ROM)●OS:Wear OS Powered by Samsung●GPS:対応●サイズ/質量:約W39×H40×D10mm/約26g
私が激推しします!
ガジェットなら何でも試す湯浅さんはスマートウオッチも様々なモデルをチェック済みだが、本機の特異性に注目した。
「何と言ってもLTE内蔵という点に惹かれます。iOS端末は先行していますが、Androidユーザーにとって本機は比類なきスマートウオッチ。有料のサービスに加入する必要はありますが、単体で電話の発着信ができます。利用しているスマホとペアリングして同じ電話番号を使用可能。スマホをどこかに置き忘れたような場合でも、いつも腕に着けている本機から電話してクイックに探す、といった使い方ができるのも心強い。健康系のセンサーも充実し、心拍数や血中酸素濃度はもちろん、体脂肪率、骨格筋なども測定できます。トレーニングを開始すると自動的に検出して記録、ワークアウトの種類を選択する手間も要りません。アプリも豊富で、基本性能は高水準です」
その5 有線・無線の同時接続でゲーム音とチャットが聞ける
【ゲーミングヘッドセット】
EPOS
H3 Hybrid
実売価格2万120円
Bluetooth対応の密閉型ゲーミングヘッドセット。ケーブルでゲーム機との有線接続と、スマホなどの端末とのBluetooth接続が同時に行え、友人と通話しながらのプレイも快適だ。適切に角度がついたイヤーカップはフィット感抜群。
SPEC●充電時間:1.5時間●最大再生時間:37時間(Bluetooth接続時)●互換性:Mac OS X、PS4、PS5、Switch、Xbox One、Xbox Series Xなど●ケーブル長:2m(USB)●サイズ/質量:W183×H176×D90mm/298g
私が激推しします!
eスポーツの取材も行う岡安さんは、通話をしながらゲームを楽しんでいるライト層に本機が有用だと言う。
「このモデルは有線と無線(Bluetooth)で2つのデバイスと同時接続でき、ゲームの音声とチャットの音声をミックスして、ヘッドセットから聞くことが可能。PCではゲームのみを起動し、スマホでチャットアプリを開いて、音声チャットをしながら快適に遊べます。PCでチャットアプリを起動することもできますが、プレイ中のラグや遅延を抑えるためには、なるべくPCに負荷を掛けないようにしたいですね。上位モデルの『H3PRO Hybrid』は、専用ドングルを備え、低遅延でゲームサウンドを楽しめます。FPSや格闘ゲーム、リズムゲームなど、eスポーツに採用されるような、競技性が高く遅延が命取りになるゲームを本気でプレイするなら、選択肢になるでしょう」
その6 卓越した音声通話技術によりオンライン会議にも最適
【完全ワイヤレスイヤホン】
テクニクス
EAH-AZ60
実売価格2万8000円
独自の音響構造により臨場感溢れるリアルな高音質を実現。ハイレゾ相当の音声伝送が可能なLDACに対応し、ワイヤレスながらハイレゾ音質を楽しめる。また、自分の声だけをクリアに相手に伝える通話音声処理により快適に通話できる。
SPEC●ドライバー:φ8mm密閉ダイナミック型●対応コーデック:LDAC、SBC、AAC●連続再生時間:約7.5時間(NCオフ時)●充電時間:約2時間(本体)/約2.5時間(充電ケース)●防水性能:IPX4●質量:約7g(片耳)
私が激推しします!
AV機器の記事を担当する本誌編集長の川内は、完全ワイヤレスイヤホンをパワープッシュ。
「私の激推しはテクニクスのEAH-AZ60。このモデル最大のウリは、卓越した通話性能です。左右合計8つのマイクと独自の『JustMyVoice』プロセッサーにより、周囲のノイズと発話者の声を拾い上げて自動で解析。最適な処理をすることで、クリアな声をしっかり届けられます。駅のホームにいる際に電話がかかってきたり、カフェからビデオ会議に参加したりしたときなども、相手に不快な思いをさせずに済みます。また、マルチポイントに対応しており、例えばスマホとノートPCに同時接続が可能。移動中などはスマホで音楽を聴いていても、すぐにデバイスを切り替えてオンライン会議に参加することができ、文字通りマルチに使えます。イマドキのワイヤレスイヤホンは、オーディオ用だけでなくビジネス用としてもシームレスに使えることが重要なポイントになりますが、その点もバッチリです」
肝心の音質面も抜かりはない。
「オーディオ性能も価格以上に高いですね。特に低音の表現が豊かで、解像感もバツグン。ノイズキャンセリングの精度も高いので、どこでも音楽の世界に浸れます」
身近になった開放型ヘッドホンスピーカーライクな音を味わえる!
オーディオテクニカ
ATH-HL7BT
実売価格1万9800円
オーディオビギナーにはハードルが高かった開放型ヘッドホンが、ワイヤレス化&リーズナブルな価格設定によって身近な存在に。開放型ならではの自然な音の鳴りや余韻が手軽に楽しめる。
その7 最高のクオリティの映像で感動の光を体感できる
【レーザープロジェクター】
ビクター
D-ILAプロジェクターDLA-V90R
実売価格275万円
世界で初めて8K60p入力に対応。最新のLSIを搭載し、8Kの情報量を入力から液晶パネル(D-ILAデバイス)まで瞬時に処理して8K信号を正しく表示できる。4K120p入力にも対応し、最新ゲーム機もサポート。
SPEC●表示デバイス:0.69型4K「D-ILA」×3●明るさ:3000lm●コントラスト比:10万:1●投写サイズ:60〜300型●HDMI端子:2●サイズ/質量:W500×H234×D528mm/25.3kg
私が激推しします!
画質には厳しい目を持つ麻倉さんは、プロジェクターにこそ大画面テレビでは味わえないスペシャルな魅力があるという。
「直視型のテレビの本質は“情報性”。ディスプレイから押し出された高精細な情報を持った光がこちらに向かってきます。一方、光源から照射された光をスクリーンに反射させるプロジェクターは“感動性”を体感できる。目だけでなく、全身で感動の光を感じることができます。そのなかでもDLA-V90Rの映像は別格。技術的な完成度はもちろんのこと、画づくりも極上のレベルにあります。HDMI2.1の採用により、8K60p/4K120p信号の再生が可能になったことをはじめ、独自のレーザー光源技術『BLU-Escent』の搭載や、HDRの最新規格『HDR10+』への対応など、最新の映像技術が集結。現在得られる最高のクオリティの映像を存分に楽しめます」
その8 リアリティ溢れる8K映像を75V型の超大画面で堪能
【8K/4Kテレビ】
シャープ
AQUOS XLED 8T-C75DX1
実売価格80万円
バックライトに小型のLED(mini LED)を採用した8K/4K液晶テレビ。エリアごとの明暗をきめ細かく制御する「アクティブmini LED駆動」と量子ドットによる光波長変換技術により、輝度やコントラスト、色域が飛躍的にアップした。
SPEC●チューナー:8K×1、4K×2、地デジ/BS/110度CS×3●接続端子:HDMI×4、USB×2ほか●サイズ/質量:W1655×H1009×D310mm/約45.0kg(スタンド含む)
私が激推しします!
有機EL機の台頭が著しい大型テレビ市場だが、シャープが新技術を投入した大型液晶シリーズを発売した。同モデルについて、藤原さんはこう語る。
「mini LED次世代ディスプレイ技術を用いた8K対応モデルです。正面のコントラストに優れるVA液晶で、mini LEDバックライトと量子ドット技術の組み合わせで、より明るく、鮮やかな再現性を実現。とにかく明るく、黒も適度に締まるので、日差しが差し込むような明るいリビングでも、色鮮やかで高コントラストの映像が楽しめます。サイズは65V/75V/85V型と超大型のラインナップですが、オススメは等身大の8K映像の醍醐味が体験できる75V型。現状8K放送はNHKのBS8Kのみですが、YouTubeなどのネット配信で良質な8Kコンテンツが増えつつあります。4Kを凌駕するリアリティに富んだ映像を堪能できますよ」
その9 上位モデル譲りの処理能力を備え使い勝手も抜群
【デジタル一眼カメラ】
ソニー
α7 Ⅳ
実売価格32万8900円(ボディ)
新開発の約3300万画素センサーと画像処理エンジンを搭載したミラーレス一眼。上位機譲りの処理能力を備え、階調表現や色再現度などの画質が進化したほか、AF精度も向上した。5.5段ぶんの5軸手ブレ補正に対応。
SPEC●撮像素子:約3300万画素 35mm判フルサイズ●レンズマウント:ソニーEマウント●ディスプレイ:3.0型103万6800ドット(バリアングル式)●撮影設定登録:9モード(本体)●サイズ/質量:W131.3×H96.4×D79.8mm/約658g
私が激推しします!
プロカメラマンとして活躍する永山さんは、本機が価格以上の実力を秘めていると語る。
「小型軽量かつ高画素を実現する優秀なモデルで、ソニーのほかのカメラと比べると、コスパの高さが光ります。画像処理エンジンは上位機種にも搭載されている最新世代のものを採用するとともに、高画質機能も多数搭載。人気のルック『S-Cinetone』も受け継いでいて、動画撮影時は特筆すべきキレイな仕上がりに。同社の30万円前後のラインナップでは初めて4K60pの動画撮影に対応し、フルサイズのHDMI端子を採用した点も大きなポイントです」
ほかにも進化点は数多くある。
「露出補正ダイヤルが改良されてカスタマイズ可能に。動画と静止画の切り替えスイッチが新設されたのも便利ですね。静止画モードと動画モード、それぞれの設定値が個別に記憶できるようになり、1台2役で使えるようになったのはうれしいです。また、同社のカメラはアクセサリーも充実。ソニーEマウントを採用しており、交換レンズが豊富という優位性も忘れてはなりません。大容量データを記録する用途を想定するなら、『CFexpress』カードがマストバイ。防塵・防滴性など、タフさの面でも恩恵は大きいですね」
大容量データを素早く書き込むならCFexpressカードが最適!
ソニー
CFexpress Type A メモリーカード CEA-Gシリーズ
実売価格2万6400円(80GB)
連続撮影した写真や高ビットレート動画など、大容量データの書き込みに適したメモリーカード。落下強度7.5m、IP57の防塵防水性能を備えるなど、厳しい環境での撮影にも耐えうるタフさを誇る。