ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くなか、ウクライナ人が盗まれたアップル製品を「探す」アプリにより追跡することで、ロシア軍兵士らの行き先をリアルタイムで確認、報告できると伝えられています。
戦争のさなかでは、軍隊が「戦利品」を持ち帰ることがありますが、今回のウクライナ侵攻ではその中にアップル製品が含まれていました。つまり、本来の持ち主がアップル純正の「探す」アプリを使い、盗品を持っているロシア軍の行き先がわかるのです。
ベラルーシの民主的野党指導者でSviatlana Tsikhanouskaya氏の上級顧問Franak Viačorka氏は、「ウクライナ人は、ロシア軍の一部が撤退したベラルーシのホミエル地域内で自分のデバイスを見つけている」とツイートしています。
このツイートのリプライには、本来は一般向けの技術を戦時中に使いこなしていることに感心している声も。例えば、「これはFitbitの公開データを見ることで、海外の秘密軍事基地を発見していたことを思い出させる。追跡データだけで、境界の柵や門の位置もだいたいわかった」という人がいます。
これは2018年初め、スマートフォンやスマートウォッチのGPS情報を使ってアクティビティを記録・分析するサービス「Starva」から、米軍の秘密基地の場所がバレてしまったことを指しています。Stravaにはが、アプリを使っている人たちのデータをまとめて「どの場所で多くのアクティビティが行われているか」が見られるヒートマップ機能がありますが、それにより主要施設と思われる場所がくっきり浮かび上がってしまったのでした。
また別のコメントでは、混沌とした紛争の中で追跡技術とSNSの情報が錯綜していることを「トリップ(旅行と頭が混乱することを掛け合わせている)」と表現しています。すでに起こってしまったことは元に戻せませんが、せめて奪われたiPhoneなどが持ち主の元に帰ることを祈りたいところです。
Source:Franak Viačorka(Twitter)
via:Cult of Mac