米グーグルがMicroLED技術のスタートアップであるRaxiumを買収したことを、海外テックメディアの9to5Googleが伝えています。これにより、ARやVR技術を採用したヘッドセット製品の登場が期待されています。
MicroLEDは、微細なLEDが自発光して映像を表示するディスプレイ技術です。既存の液晶ディスプレイや有機ELと比べて色の正確さや輝度の高さ、寿命の長さなどのメリットがあります。一方でディスプレイのドットごとに膨大な数のLEDを配置する必要があることから、コストが大幅に上がってしまうのが課題です。
一方でグーグルは、2013年にスマートグラス「Google Glass」をリリース。メガネと一体化したプリズムディスプレイに情報を表示し、音声コマンドで操作したり、カメラで周囲の状況を撮影できたりするなど先進的な設計でした。しかし完成度の低さやプライバシーの問題などが指摘され、開発者向けとなる「エクスプローラーエディション」はすでにプログラムが終了。現在は業務向けの「エンタープライズエディション」に注力しています。
今回買収が報じられたRaxiumは、超小型かつ低消費電力、高解像度のMicroLED技術を開発しています。これは、小型かつバッテリー容量の小さいヘッドセットには最適の技術です。またスマートフォンの「Pixel」シリーズや、没入型の会議技術「Project Starline」への応用も期待されます。
現時点では、グーグルから買収の詳細や今後の製品開発の詳細に関する情報は発表されていません。米メタ(旧フェイスブック)からの新型VR/ARヘッドセットの投入が期待される中、今後も同様のVR/AR分野はさらに盛り上がりをみせることになりそうです。
Source: 9to5Google via Engadget