米グーグルは、AR(拡張現実)による翻訳機能を搭載したARスマートグラスのプロトタイプを、Google I/Oのイベントにて披露しました。
グーグルによるスマートグラスの取り組みといえば、2013年に発売された「Google Glass」が思い出されます。同製品はレンズの前のプリズムディスプレイに映像を表示し、カメラによる映像撮影も可能。音声で操作するなど、先進的な技術を導入していました。しかし、プライバシーの問題や完成度の低さなどから、一般向けの製品開発は頓挫。現在は業務用の「Glass Enterprise Edition」が販売されています。
新しいARスマートグラスでは、目の前の人が話した言葉がそのまま、あるいは翻訳された状態で目の前のレンズに表示されるそう。グーグルは視覚障害者、あるいは多言語での会話などで、このARスマートグラスを活用する映像を公開しています。
グーグルのスンダー・ピチャイCEOは、ARの未来を「コンピューティングの新たなフロンティア」と位置づけており、Google レンズによるマルチサーチやシーン検索、Goolge マップの没入型ビューなど、新たな取り組みについても触れています。
2020年にGoogleは、ARスマートグラスを開発しているNorthを買収。Northのスマートグラスでもレンズに文字が表示され、音声アシスタントが利用できるなど、今回のARスマートグラスのコンセプトとの共通点が見つけられます。さらに、最近グーグルはMicroLEDを開発するRaxium社を買収しており、その技術もスマートグラスに取り入れるかもしれません。
現時点でグーグルがARスマートグラスをいつ、どのような形でリリースするのかは不明。しかし、メタバースに代表されるXR(VR、AR、MRの総称)が盛り上がる中、このARスマートグラスが市場に受けいられる土壌は十分に整ったといえるのかもしれません。スマートフォンの次に来るテクノロジーと言われているだけに、その動向から目が離せません。
Source: 9to5Google