「超強力なMac mini」ことMac Studioが発売されてから、上位モデルに積まれたM1 Ultraにつき数々のベンチマークが公開されてきました。
では下位モデルのM1 Maxと比べれば、実用する上でどれほどパフォーマンスの違いがあるのか? それをプロフェッショナルが検証した結果が報告されています。
米テック系サイトEngadgetが行ったのは、実際の使用シーンから離れがちなベンチマークテストを可能な限り現実的なものにすることです。
そのため、読者から最も頻繁に行う負荷の高いタスクが何かと尋ねて、Adobe LightroomとPremiere Pro、DaVinci ResolveとFusion、Blenderの3Dモデリング、TensorFlowやPyTorchなどの機械学習テストなどのリストを作成。いわば「ユーザーが最も軽く動いてもらいたい」アプリについて、ベンチマークテストを行ったしだいです。
M1 Ultraは、2つのM1 Maxチップを合体させ、プロセッサは20のCPUコア+64のGPUコア、最大128GBのRAMを搭載しています。少なくとも、これまでMacで積まれたチップの中では最も高性能と言えるスペックです。
それに相応しく、CPU負荷の高いタスクに関しては、M1 UltraはM1 Maxの約2倍の速さだったそうです。かたやGPUを多用する場合は、それほど劇的な差は付かなかったものの、それでも概ね40~80%の範囲に収まっているとのことです。
そしてM1 Ultraが真価を発揮するのは高負荷のビデオレンダリングであることは、アップルが発表した当時に主張していた通りのようです。
Engadgetによれば、M1 Ultraは「M1 Ultraは、ハードウェアアクセラレータが効果を発揮するときに最高のパフォーマンスを発揮」する構成であり、「ビデオレンダリングやAI処理など、特定のタスクを高速化するために作られたチップ」とのことです。
実際に10本の8Kビデオクリップを同時に処理するテストでは、M1 Ultraはわずか29秒で作業を完了しました。これは16コアのAMD 5950XプロセッサととNVIDIA RTX 3080 TiのGPUカードを搭載したWindows PCの約2倍も速かったと述べられています。
M1 Ultra搭載Mac Studioは税込で約50万円~とお高くも思えますが、負荷の高い動画レンダリングなどクリエイティブのプロ向け用途に限れば非常にコストパフォーマンスが高く(ゲームライブラリはWindowsよりも乏しいですが)むしろ「安い」と言えるのかもしれません。