マイクロソフトは、Windows 11について推奨ハードウェア要件を厳しめに設定しています。要件を満たしていないPCでも手動でインストールできますが、その代わりデスクトップに透かしを表示した上に、セキュリティ更新プログラムを含む更新プログラムを受け取ることが保証されないと申し渡しています。
そうしたサポート対象外の古いPCに対して、Windows 11へのアップグレードが手違いで提供されてしまったと報じられています。
これはリリースプレビューチャネル(公式リリース前に、今後のバージョンを早めに確認できる)にテスター登録している人達に起こったことです。年内に予定されている大型アップデート「Windows 11 22H2」の正式提供開始に向けた第一歩ですが、大手掲示板Redditによると、そのビルド22621がサポート外のハードウェアにも提供されたそうです。
具体的には「Windows 11, version 22H2 is ready」(Windows 11 22H2の準備ができています)が表示されたというもの。RedditユーザーのAceRimmer412氏の使うHP x360は、Core i5-7200UというWindows 11対象外のプロセッサを搭載していますが、Windows 10からWindows 11 22H2へのアップグレードを提供されたことを示すスクリーンショットを投稿しています。
ちなみにWindows 11にアップグレードできるCPUの一覧はこちら。インテル製は第8世代Core、AMDはRyzen 2000以降が必要とされます(上記のi5-7200Uは第7世代)。
他のユーザーはさらに古いPCでオファーを受け取ったと報告しています。「私の古いDell Optiplex 7040、i7-6700 3.4GHz(筆者注:第6世代)、 16GB, Intel HD 530が今日から対象」となったそうで、実際にアップグレードできたと報告されています。
その後、マイクロソフト公式には、意図しないバグであり、調査中であることが表明されています。
It’s a bug and the right team is investigating it. Thanks for notifying.
— Windows Insider Program (@windowsinsider) June 8, 2022
このため、非対応デバイスには今後のセキュリティアップデートが提供されないかもしれません。
非対応PCのロールバック(Windowsを以前のバージョンに戻す)は10日間の猶予があります。その間に戻さなければWindows 10をゼロからクリーンインストールする必要があるため、うっかりアップグレードしないよう気をつけたいところです。