韓国サムスンは、3nmプロセスのチップの生産を開始したこと発表しました。これは、これまで市場で先行していた台湾TSMCに先駆けるものです。
チップの内部には多数の回路が配置されており、それらの寸法は「プロセスルール」として規定されています。このプロセスルールは数字が小さい方が、より高速での動作が可能になり、さらに省電力性能も向上することになります。
報道によれば、サムスンの3nmプロセスでは「Gate-All-Around」と呼ばれるアーキテクチャが採用されており、全体的な性能が23%向上するとともに、消費電力が45%削減されています。ただしこれは5nmプロセスとの比較で、現在最新プロセッサにて広く採用されている4nmプロセスとの比較ではありません。
さらにサムスンは第2世代の3nmプロセスにおいて、性能が最大30%向上し、消費電力は最大50%削減されるとも発表しています。
サムスンは水原華城の施設で3nmチップの生産を開始し、その後、新しいファブを平沢市に拡大する予定です。また製造したチップはまず特殊な低電力コンピューティング用途に使用され、その後にスマートフォンのプロセッサなど、より一般的な用途にも採用されることになります。
現在の最先端のプロセッサ市場では、TSMCとサムスンがシェアを二分しています。そんな中でのサムスンによる3nmプロセスへの参入は、大きなインパクトをもたらすものとなりそうです。
Source: サムスン via 9to5Google