Netflixは、アンチウィルスソフト「McAfee Antivirus」を開発し、セキュリティソフトの先駆者として知られるジョン・マカフィー氏の主演映画を配信すると発表しました。主に中米の国ベリーズで隣人を殺害するために殺し屋を雇ったとの容疑をかけられてからの逃亡生活を、実際の映像をふんだんに使って描かれたドキュメンタリーです。
どうやらマカフィー氏は当局から逃れ、メキシコの麻薬組織カルテルにも標的とされるなか、自分の生き様を記録するように撮影チームに依頼したようです。
この『悪魔のハイウェイ: ジョン・マカフィーの数奇なる人生』では、銃やドラッグ、アルコールを抱えたマカフィー氏がベリーズとグアテマラを横断し、なぜかバハマに向かうボートに乗り込んでいます。これらは本物の映像であり、つまり撮影チームも同じ目に遭っているわけです。
マカフィー氏の人生は、本当に数奇なことばかりでした。殺人容疑がかかった後も、仮想通貨を宣伝したり価格をつり上げたりして多額の収益を上げた件について、詐欺や脱税容疑で起訴されています。また、多数の武器などを船で運搬したとの疑いでドミニア共和国に逮捕されたり、米国のリバタリアン党から大統領選挙に立候補しようとしたり……。
結局は2020年にスペイン・バルセロナ空港で現地警察に逮捕され、米国に送還される前に刑務所で遺体となって発見されました。その死因は自殺と発表されましたが、真相は不明です。
本作は、日本を含めた世界各国で8月24日に配信される予定です。英国のスタジオCurious Filmsが制作しており、共同設立者のDov Freedman氏は「10年かけて制作した」と語っています。
マカフィー氏がドキュメンタリーの題材となったのは今回が初めてではなく、2016年には『Gringo: The Dangerous Life of John McAfee』(グリンゴ:ジョン・マカフィーの危険な生活)が公開されています。
なおマカフィー氏は1994年にMcAfee社の持ち株をすべて売却しており、その後は同社との関係がありません。
via:The Verge