グーグルが7月28日に発売した純正Androidスマホ「Google Pixel 6a」が、安価なのに高性能と評判です。また、同日にはアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds Pro」も登場。それぞれの製品を使った筆者が注目すべきポイントを解説します。
圧倒的に高いコストパフォーマンス
グーグルの独自設計による「Tensor(テンサー)」チップを搭載するGoogle Pixel 6aは、高機能で5G対応ながらオンラインのGoogle ストアでは5万3900円(税込)で販売されている、手頃な廉価機です。
筆者が本稿を書いている製品の発売直後時点では、古いPixelシリーズやiPhoneを下取りに出してGoogle Pixel 6aを購入すると最大4万円がキャッシュバックされる、Googleストア限定の下取りプログラムが実施されています。さらに、完全ワイヤレスイヤホンのエントリーモデルである「Google Pixel Buds A-Series」(Google ストアでの価格は税込1万1900円)もプレゼントで付いてくるというお得なキャンペーンも展開。
一方のGoogle Pixel Buds Proは、グーグル純正の完全ワイヤレスイヤホンとして初めて、電気的な処理によりリスニング環境周辺の邪魔なノイズを消去するアクティブノイズキャンセリング機能を搭載しました。価格は2万3800円(税込)。ライバルであるソニーの人気モデル「WF-1000XM4」と比べて9200円、アップルの「AirPods Pro」より1万5000円も安価です。全4色から選べるカラバリも魅力があります。
Proに劣らない、心地よい使い勝手を実現したGoogle Pixel 6a
Google Pixel 6aにはGoogle Pixel 6 Proと同じ性能のTensorチップが搭載されています。筆者はGoogle Pixel 6 Proのユーザーですが、アプリやカメラによる体験は上位モデルとほぼ変わらないように感じました。写真や動画を撮影する際の高度な画像処理、Google アシスタントによる音声操作、AI機能の体験はほぼ削られることなく廉価モデルのGoogle Pixel 6aに継承されています。
例えば筆者は、精度の高い音声文字起こしができる、Pixelシリーズの純正アプリ「レコーダー」を仕事でもよく活用しています。Google Pixel 6aは本体のサイズがGoogle Pixel 6 Proに比べてコンパクトになり、片手で持ちながら軽快に操作ができます。そのため、必要なときにはすぐバッグやポケットから取り出せますし、スマホを手に構えて立ったままインタビューの音声メモを録るのも楽になりました。
カメラにおいては、Google Pixel 6aのメインカメラは広角+超広角レンズを搭載するデュアル仕様です。Google Pixel 6 Proと比べると、望遠カメラが省略され、イメージセンサーのグレードが少し下がっていますが、撮れる写真・動画の品質はほぼ変わりません。
ディスプレイは、上位のGoogle Pixel 6 Proだとスムーズディスプレイを搭載。リフレッシュレート(画面の書き換え速度)をコンテンツに応じて60Hzから、より高速な120Hzまで自動的に上げて動画を滑らかに見せてくれます。一方でGoogle Pixel 6aのリフレッシュレートは60Hzで固定。ですが、シューティングゲームなども特に問題なく楽しめました。
なお、Pixelシリーズは次期OSのAndroid 13配信開始後すぐのアップデート対応を予定しています。自社設計のTensorチップを搭載するPixelシリーズには、今後もレコーダーの自動文字起こしや、カメラの「消しゴムマジック」機能のような、シリーズならではの最先端機能が最も心地よく使える環境が提供されるでしょう。
Google Pixel 6aは廉価モデルとは言いつつも、侮れない高機能スマホです。これから5Gスマホに新しく買い換えを考えている方は候補として検討するべきでしょう。また筆者のようなガジェットファンは、iPhoneなどほかのスマホをメインとして使っていたとしても、Android OSやグーグルのAI体験を最速でキャッチアップできるスマホとして、Google Pixel 6aを“2台持ち”にする楽しみもあると思います。
ライバルとの差が付く個性が光るGoogle Pixel Buds Pro
Google Pixel Buds Proは、かなりキャラクターが立っている完全ワイヤレスイヤホンです。
まず、ノイズキャンセリング機能の消音効果がとても強力。賑やかなカフェや地下鉄の車内で試しましたが、機能をオンにすると、かなり大きな騒音やざわつく人の話し声が気にならなくなるほどガッツリと消えます。
そのため、ノイキャン機能をオンにして、音楽や動画の音声を再生するとコンテンツにとても深く入り込めます。例えるなら、路面から振動が伝わってこない、猛烈に足回りの良いクルマに乗ってドライブを楽しむような感覚です。今はなかなか機会もありませんが、長時間飛行機に乗って移動する旅に出かける際に、ぜひ本機を使ってみたいと思いました。
サウンドは特に低音の躍動感が豊かです。アップテンポなロックやポップス、ジャズの演奏から高い熱量が伝わってくる持ち味があります。アクションシーンの多いドラマや映画は重低音がどっしりと響いて、まるでヘッドホンで聴いているみたいな迫力が伝わってきます。
肉厚な低音再生がとても個性的なイヤホンですが、中高音域との分離が良く、特に低音ばかりがゴリ押しされる感覚はありません。「人の声」はボーカルや映画のセリフがグンと前に押し出してきてよく聞こえてきます。また、ハンズフリー通話の声が鮮明なところはさすがにPixelシリーズのイヤホンです。きっとスマホとのベストな組み合わせを考えながら、体験がデザインされているのだと思います。
バッテリーのスタミナも優秀です。アクティブノイズキャンセリング機能をオンにしたまま、最大7時間以上の音楽リスニングが楽しめます。参考までにライバルと比較してみると、アクティブノイズキャンセリング機能がオンの状態ではAirPods Proが最大4.5時間、ソニーのWF-1000XM4は最大8時間の連続音楽再生に対応します。
装着感については、メインチップやバッテリーなど、内部のパーツをノズルの側に寄せて比重を耳の内側に傾けたことで、負担の少ない安定感を実現しています。体を動かしながら音楽を聴く、あるいは混雑する通勤電車に乗りながらイヤホンを使うときも、うっかりと落としてなくしたり、壊したりする心配からかなり解放されると思います。
詳細はまだ明らかにされていませんが、グーグルは秋以降に、立体的な音楽体験が楽しめる「空間オーディオ」に、Google Pixel Buds Proを対応させると明らかにしています。Pixelシリーズのスマホ同様、Google Pixel Buds Proも今後進化を続けることになるでしょう。価格を越えた価値が長く楽しめる、いま要注目のプレミアムイヤホンです。
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