これまでApple Watchは本人に自覚がない症状も見つけ、たびたび命を救ってきました。そして新たに、48時間のうちに138回も心臓が止まった男性が助かるきっかけとなったと報じられています。
イギリス在住のデビッド・ラストさん(54歳)は、4月の誕生日に妻からApple Watchをプレゼントされました。装着して間もなく、心電図アプリ(ECG)が約3000回にわたって安静時の心拍数が低すぎると警告を出すようになったそうです。
平均的な成人男性の安静時心拍数は、通常60~100bpmと言われています。が、ラストさんの場合は30bpmまで下がっていました。あまりにアラートが多いため、Apple Watchにバグがあるのではと考えたとのこと。家族にも心臓の合併症が出たこともなく、本人も活発なライフスタイルを送っており、身に覚えがなかったようです。
しかし、最終的にラストさんは妻に説得され、かかりつけ医に相談したところ、循環器専門医を紹介されました。5月にMRI検査を受け、7月に結果が出た後に48時間の心電図を取ったところ、病院から「至急、来て下さい」と電話があったとのこと。そこで行ってみると、すぐに病床を用意してくれたと語られています。
ラストさんの心臓は48時間の間に10秒間隔で138回止まり、ほとんどが睡眠中に起こっていました。心臓の接合部が摩耗して、心筋梗塞になっていたのです。これが進行すると、突然死の危険さえある重大な症状でした。
結局ラストさんは手術を受け、心臓にペースメーカーを埋め込みました。この装置は異常なリズムを検知すると、それぞれの心室が同期して血液を送り出すのを助けるしくみです。
ラストさんは「もし妻が私の誕生日にApple Watchを買ってくれなかったら、私はここにいなかったでしょう」と振り返っています。そして妻への感謝を述べるとともに、充電している以外はApple Watchをいつも身につけていると語っています。
ふだん健康に自信がある人ほど、異常を見落としやすい傾向があるもの。次期「Apple Watch Series 8」には体温センサーが追加されると噂されていますが、そちらも多くの命を救うことになるのかもしれません。
Source:Independent
via:AppleInsider