まもなく「iPhone 14」シリーズが8日午前2時~のイベントで発表される見通しです。そんななかブラジル法務省が「電源アダプタを同梱してないiPhoneの販売を禁じる」との命令を出し、現地でのiPhone 14販売がピンチとなっています。
これはブラジル政府の官報に掲載されたもの。アップルはiPhone 12以降では充電器の同梱をやめていますが、それらに対する罰金のほかスマートフォン登録の取り消し、さらに「モデルや世代にかかわらず、充電器が付属していないすべてのiPhoneブランドのスマートフォンを直ちに供給停止にする」と書かれています。
このうち罰金は「充電器のないiPhoneの販売を停止しなければ、日割りの罰金を適用」ということで、アップルが命令に従えば支払う必要はありません。
この話は2020年末にまで遡り、ブラジルの消費者保護当局Procon-Spが、現地で販売されているすべてのiPhoneに充電アダプタを付ける義務があると声明を出したことが始まりです。その後に約3億円(当時)の罰金が科されましたが、結局アップルは命令に応じていません。
さらに今年5月には、ブラジル政府はProcon-Spにアップルとサムスン(同じくスマホへの電源同梱をやめた)に対する行政手続きを始めるよう要請。それを受けてサムスンは、ブラジル向けGalaxy Z Flip4とZ Fold 4は充電アダプタを入れるようになりました。
この件につきアップルは、電源アダプタを同梱しないのは「人々と地球への影響を考慮している」ためとコメント。充電器は同社の製品のなかで亜鉛とプラスティックを最も使うものであり、同梱を辞めることで200万トン以上のCO2排出量を減らすことに成功したとのこと。またブラジルでもいくつかの裁判で勝訴しており、ブラジル政府の決定にも上訴すると述べています。
iPhoneに充電器を同梱しなければ箱を小さくでき、輸送費を減らすことができるとも推測されていました。しかしブラジルではコスト削減を取るのか、それともiPhone販売そのものを諦めるのか、究極の選択が迫られそうです。
Souce:TechTudo
via:9to5Mac