サムスン電子ジャパンは8日、第4世代の折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip4」と「Galaxy Z Fold」を日本向けに発表しました。携帯電話キャリア各社から、9月29日に発売されます。東京・原宿にあるGalaxyスマホのショウルーム「Galaxy Harajuku」から、最新モデルのできばえをレポートします。
Galaxy Zシリーズは、折りたためる画面「フォルダブルディスプレイ」を使ったスマートフォンです。コンパクトミラーのように小さくたためるGalaxy Z Flipと、縦長のスマホと大画面タブレットを1台にまとめたGalaxy Z Foldという2つのシリーズで展開しています。いずれも性能の高さは折り紙付きで、“普通のスマホ”の最上位モデル並みにサクサクと動きます。
新モデルからは「発売後4世代までのAndroid OSのバージョンアップを保証します」という公約も表明されており、長く使う上でも安心して選べるようになっています。
ハイスペック&おしゃれな縦折りスマホ「Galaxy Z Flip4」
Galaxy Z Flip4は、縦に二つ折りできるスマートフォンです。NTTドコモ、au、楽天モバイルの3キャリアから発売されます。“普通のハイスペックスマホ”と同じくらいの価格帯で、防水やおサイフケータイにも対応してます。
折りたたむと手鏡のようなコンパクトな形になり、小さなハンドバッグやズボンのポケットにもすっきりと収まります。それでいて、開くと意外と大きな、6.7インチの縦長スマートフォンに変形。画面の動きをなめらかにする120Hz駆動にも対応しているので、TwitterやInstagramのようなSNSも広い画面で表示できます。
Galaxy Z Flip4には外側に小さなサブ画面がついており、待受画像や短い動画、GIFアニメーションなどを設定できます。この画面もタッチパネルで、通知を確認したり、簡単な文章を返信したりといった操作を閉じた状態で行えます。さらに、サブ画面からカメラ起動して、高画質な外側のカメラでセルフィー(自分撮り)をするという機能まで搭載。Galaxy Z Flip4ではポートレートモードもサブ画面からの起動に対応しているので、よりリッチなセルフィーができます。
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もちろん、折りたためるというだけでなく、性能も折り紙付きです。スマホの性能の要となるチップセットには、2022年夏時点でも最も高性能なSnapdragon 8+ Gen 1(オクタコア)を搭載。メモリ(RAM)は8GBと、ハイスペックモデルとして十分に“使える”構成になっています。5Gでは「ミリ波帯」と呼ばれる周波数帯に対応していて、都心の駅前のような混雑した場所でも高速な通信が期待できます。
最新の折りたたみディスプレイの目新しさと、いにしえのガラケーのようにレトロ感のある可愛さも兼ね備えたGalaxy Z Flip4。その一番の魅力は、自分らしさを表現できることでしょう。トレンドにめざとい若い女性ユーザーには、ケースをデコレーションして楽しむ人もいるようです。
Galaxyブランドではこうした自分らしくアレンジする使い方を応援していて、9月に開催された「東京ガールズコレクション 2022」ともコラボレーションしています。デコGalaxyを手に取ったファッションモデルがランウェイを闊歩しました。
また、Galaxy Z Flip4の発売にあわせて、スマホケースブランド「CASEPLAY」は「リング付き着せ替えシートfor Galaxy Z Flip4」を発売します。着せ替えシートは別売のGalaxy純正クリアケース「Clear Cover with Ring」と組み合わせて飾れるシートで、サンリオのキャラクターやスポーツブランドのFILAのコラボデザインも用意。10月31日までにGalaxy Z Flip4を購入した人には、1枚無料でプレゼントされます。
【Galaxy Z Flip4の価格】
・NTTドコモ版 Galaxy Z Flip4 SC-54C:価格未定
・au版 Galaxy Z Flip4 SCG17:15万9870円
・楽天モバイル版 Galaxy Z Flip4:13万9800円
縦長&大画面! スタイル自在な「Galaxy Z Fold4」
横開きタイプの「Galaxy Z Fold4」は、開くと大画面のタブレットのように、閉じた状態で縦長のスマートフォンにという、二刀流の使い方ができるスマートフォンです。2台の機器の機能が1台にまとまっている分、価格は“普通のスマホ”の最上位モデルよりもお高めの約25万円。NTTドコモとauで販売されます。
このGalaxy Z Fold4は、内側の折りたたみ画面の縁がすっきりとした形状になり、前世代モデルのGalaxy Z Fold3よりも引き締まったデザインに進化しています。
横折りタイプの折りたたみスマホには一般的なスマホよりも重いという弱点がありますが、Galaxy Z Fold4は前世代モデルより8gのダイエットに成功しています。それでも重量は263gあり、iPhone 14 Pro Max(約240g)と比べると、高級ボールペン1本分ほど余分に重くなっています。ただし、実機を手にしてみると、重さがある割には持ちやすいと感じました。単に軽量化しただけでなく、重心の位置を考慮した設計により、手で持った時の負担を抑えているのでしょう。
そして、使い勝手の面では、大きな進化を遂げています。タブレット向けのOS「Android 12L」に対応して“マルチタスク”の機能がより使いやすくなりました。これまでのAndroidスマートフォンでは、2つのアプリを同時に開く「マルチウインドウ」の操作がやや複雑でしたが、Android 12LではWindowsやMacのような“タスクバー”が画面の下に表示されます。2つのアプリを並べて起動したい時の操作は、タスクバーのアイコンを引っ張って表示したい位置に動かすだけと、手軽で分かりやすい方法になりました。
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LINEやSlackのメッセージを返しながらカレンダーで予定を確認したり、メールを見ながらオフィスアプリで書類をチェックしたりと、2つのアプリを並べて使いたいシーンはよくあるもの。こうしたマルチタスク作業は、サッと画面を開いて大画面に切り替えられるGalaxy Z Fold4で効率的に行えます。
Galaxy Z Fold4の良いところは、スマホモードとタブレットモードの切り替えが非常に素早く行えることです。「スマホとタブレットの2台持ち」でもマルチタスク作業はできますが、Galaxy Z Fold4なら普段はスマホとして使いつつ、必要な時に大画面に移って、開いているアプリをそのままで作業を継続できます。2台持ちでは工夫が必要なデータのやり取りも、そもそも1台のスマホで完結するため必要がありません。
さらに、折りたたみスマホならではのユニークな使い方もできます。90度ほどの角度で折りたたんだ状態にすると、横長の2画面で使えます。例えば、上の半分でZoomなどのビデオ会議アプリを表示して、下の半分でメモを取るという使い方ができます。別売の「Sペン」を使うと、手書き入力でメモを取ったり、イメージ図をスケッチして残すこともできます。
もちろん、Galaxy Z Fold4は、Androidスマートフォンとしても最高峰の性能を備えています。チップセットはGalaxy Z Flip4と同じSnapdragon 8+ Gen 1搭載で、メモリ(RAM)は12GBと余裕のある容量。5G・ミリ波帯の通信機能や、IPX8相当の防水性能、おサイフケータイも搭載しています。メインカメラはトリプルカメラで、超広角や光学3倍ズームを搭載、折りたたみ画面側にも、目立ちづらい画面下インカメラを搭載しています。
折りたたみスマホには目新しさがありますが、Galaxy Z Fold4はすでに4世代目に入り、着実に使い勝手を向上させています。特に今回、Android OSのバージョンアップによって、複数アプリの同時展開がしやすくなった点は、かなり実用的な性能向上と言えそう。スマホをバリバリ活用して仕事の生産性を高めたい人にはぜひ検討したい1台です。
【Galaxy Z Fold4の価格】
・NTTドコモ版 Galaxy Z Fold4 SCG16:価格未定
・au版Galaxy Z Fold4 SCG16:24万9960円
ノイキャン性能が強力な「Galaxy Buds2 Pro」
Galaxy Zシリーズの発売にあわせて、イヤホンとスマートウォッチの新製品も発表されました。このうちイヤホンの「Galaxy Buds2 Pro」は、完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデルです。9月29日発売で、希望小売価格は3万1000円。Amazon.co.jpや家電量販店のほか、au Styleなどau取り扱い店でも販売されます。
Galaxy Budsシリーズは丸っこい見た目と、強力なノイキャン(アクティブノイズキャンセリング)機能が持ち味のイヤホンです。Buds2 Proでは柔らかい色合いを採用し、Galaxy Z Flip4と組み合わせた時に統一感のある見た目になりました。ソラマメのようなコロッとした設計はさまざまな人の耳を研究して設計されたもので、装着したときの圧迫感が少なく、長時間使っても疲れにくいような形状とされています。
ノイキャン性能は前世代モデルから約40%向上。工事現場のような騒がしい場所でも音楽が聴けるほど、パワフルな性能を備えています。さらに、話しかけてくる人を検知すると自動で会話モードに切り替えて、音量を下げる機能も搭載。例えばコンビニのレジで会話するときに、イヤホンの付け外しをしなくても済むようになっています。
Galaxy Buds2 Proは、Galaxy スマートフォンとの組み合わせで真価を発揮します。スピーカーシステムのような立体感のある音響になる「空間オーディオ」の機能に対応。Dolby Atmosもサポートしており、NetflixやDisney+の映像もサラウンド再生できます。また、Budsシリーズとしては初めて、24bit収録のHi-Fi音源の再生にも対応してます。
なお、Galaxy Buds2 Proは一般的なBluetoothイヤホンのように、パソコンやゲーム機など、Galaxyスマホ以外の機器でも利用できます。その場合、高音質な音楽再生機能は利用できず、Bluetoothの基本的なコーデック(SBC/AAC)のみ接続となります。
Galaxy Z Flip4を予約購入した人を対象に、Galaxy Budsシリーズがお得に手に入れるキャンペーンが実施されます。特典は(1)Galaxy Buds2 Pro購入で1万5000円の現金キャッシュバックか、(2)スタンダードモデルの「Galaxy Buds2」の無料提供のどちらかを選べます。
Google対応スマートウォッチ「Galaxy Watch」新型も
スマートウォッチGalaxy Watchシリーズからは、「Galaxy Watch5」と「Galaxy Watch5 Pro」の2製品が発表されました。いずれも、9月29日発売です。
Galaxy Watch5/5 ProはWearOSを搭載しており、GoogleアシスタントなどGoogle製のアプリに対応します。また、スマートフォンと同じように、Google Playから時計向けのアプリをダウンロードすることもできます。
健康づくりやフィットネスを助ける多数の機能を搭載しており、心拍数や睡眠状況、ストレスレベルなど記録に対応。Galaxy Watchならではの機能としては、指を当てるだけで体脂肪率などを計測する「体組成計」機能を備えています。
標準モデルの「Galaxy Watch5」は40mmバンドと44mmバンドの2つのサイズで各3色を展開。家電量販店などで販売されるWi-Fiモデルのほか、au限定でLTEモデルも販売されます。LTEモデルはauの「ワンナンバーサービス」に対応し、スマホと同じ電話番号で通話の発着信が可能です。
上位モデルの「Galaxy Watch5 Pro」は、チタン製の頑丈なケースとマグネット式のバックルを採用したタフなモデルです。GPS計測オンで20時間持続する大容量のバッテリーを搭載し、アウトドア活動でより使いやすくなっています。
また、Proモデル限定の機能として「ルートワークアウト」を搭載します。これは、あらかじめ作成した道順を読み込んで、正しい方向に進んでいるかを知らせる機能です。トレッキングで道を確かめたり、競技大会と同じコースを走ったりするときの手助けになります。
なお、Galaxy Z Fold5を発売前に予約した人を対象に、Galaxy Watchがお得に手に入るキャンペーンが実施されています。予約購入の特典として、(1)Galaxy Watch5シリーズの購入金額から2万5000円をキャッシュバックか、(2)Galaxy Watch4を無料プレゼント、のどちらかを選べます。
【Galaxy Watch5の価格】
40mm Wi-Fiモデル:4万4200円~
44mm Wi-Fiモデル:4万8800円~
40mm LTEモデル(au版):5万2800円
44mm LTEモデル(au版):5万7530円
【Galaxy Watch5 Proの価格】
45mm Wi-Fiモデル:7万800円~
【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】