Instagramから広告や様々な機能を取り除いたサードパーティ製アプリ「The OG App」のiOS版が、正式公開からわずか1日でApp Storeから削除されました。まずInstagramの親会社Metaが「強制措置」をとったことを表明した後に、アップルが規約に違反したために削除したと回答しています。
米TechCrunchによると、このOGアプリは1年以上前から開発されており、広告のない「よりクリーンな」バージョンのInstagramを目指していたそうです。短編動画のリールやお勧め投稿、その他の物議を醸した新たな機能を非表示として、元々のInstagramアプリに近い印象がありました。
Meta社は以前から、サードパーティ製のInstagramクライアントを禁じていました。最近ではInstagramクローンサイト運営者に訴訟を起こすこともあり、さらにはターゲティング広告を調べようとした研究者のアカウントを規約違反を理由に凍結して批判を集めていました。
しかし今回のOGアプリ開発者らは、明らかにInstagramの規約に違反していたようです。Meta社はサードパーティがInstagramクライアントを作れる公開APIを提供していないため、Android用 APIを「リバースエンジニアリング」したとツイートしていました。
We reverse-engineered the Android API for Instagram. Therefore, some logins to Instagram might show up as Android.
We definitely need to make this more clear!
— The OG App ? (@TheOGapp_) September 27, 2022
最近のInstagramはリールやお勧め投稿を積極的にプッシュしてくるため、一部ユーザーからの反発を招いていました。そのためかOGアプリも、App Storeからの削除されるまでに1万回以上もダウンロードされていたそうです。
Meta側は米Engadgetに「このアプリは我々のポリシーに違反しており、我々はすべての適切な強制措置をとっている」との声明を出しました。さらにOGアプリ開発者は、MetaからFacebookアカウントを凍結されたとツイート。
Meta has banned the personal Facebook (not linked to OG) and Instagram (linked to OG) accounts for everyone on our team, permanently.
Meta is intent on taking extraordinary measures to suppress and censor us simply because we did right by their users. pic.twitter.com/JOzJ81p81k
— The OG App ? (@TheOGapp_) September 28, 2022
もっとも、Metaはどんな強制措置をとったのか明かさず、OGアプリ開発者にも理由の説明はなく、一体何が起こったのか不明でした。
その後アップルは、OGアプリがInstagramのAPIを不正に使用していたことを指摘。さらに同社のApp Storeガイドライン 5.2.2にある「開発者が許可なく第三者のサービスを使用することを禁止します」という一節を引用しつつ、Instagramユーザーのアカウントがプライバシーやセキュリティの脆弱性にさらされた可能性があるとも付け加えています。
Meta社が権利を持つInstagramのAPIを、無断で使うことは許されません。また広告やリールもビジネスモデルの基礎になっていることから、サードパーティが勝手に取り除けば、強制的な措置をとられてもやむを得ないでしょう。とはいえ、Meta社もユーザーの声に耳を傾けることが望まれるかもしれません。
Source:Engadget