先月iPhone 14シリーズが発売されたばかりですが、さっそく新機能の「自動車事故の衝突検出機能」が発動し、地元の警察に自動的に通報されたと伝えられています。
この事故は、米ネブラスカ州リンカーンで午前2時15分ごろ(現地時間)、ホンダ・アコードが木に衝突したというものです。これまでApple Watchの歴代モデルが所有者の命を救ったり、健康に差し迫った危険を知らせたりしましたが、今回はそうした幸運な結果となりませんでした。
事故車には6人が乗っており、そのうち5人が衝突してすぐに息絶えてしまったとのことで、かなりの勢いで衝突したと推測されます。また残る1人も病院に運び込まれた後、最期を迎えたそうです。
リンカーン警察の副所長は、最近の現地では「最悪の事故」だったと語っています。まだ事故の原因を突き止めるには時間がかかりそうですが、飲酒運転やスピードの出し過ぎ、脇見運転など、あらゆる可能性が検討されているとのことです。
この衝突検出機能はiPhone 14全モデルのほか、最新のApple Watch SE、Apple Watch Series 8、Apple Watch Ultraにも搭載されています。
そのしくみは、これらデバイスが激しい自動車衝突事故を検出したとき、通知が表示され、キャンセルされない限り、20秒後に緊急電話が自動的に発信。もしもユーザーの反応がない場合は緊急通報サービス向けに音声メッセージを再生し、激しい衝突事故にあったことを知らせると共に、緯度と経度による座標とおおよその捜索半径を伝える、というものです。
ただし「クルマに乗っている」からと言って、衝突されたときに必ず発動するものでもないようです。米The Wall Street Journalのジョアンナ・スターン記者も、実際に「頑丈な競技専用車を停車したクルマにぶつけたところ、停車側のiPhoneが反応しなかった」との結果を報告しています。
それに対するアップルの回答は、ざっくり要約すると「iPhoneがBluetoothやCarPlayに接続されていたり、GPSで車が十分な距離を走行している」という条件を満たしていない、つまりiPhoneが「クルマが走っている(走っていた)」と認識しなければ発動しにくい、というものでした。
ともあれ、いかなるハイテクも100%は信頼できないということで、安全運転を心がけたいものです。