アップルは2017年にiPhone Xを発売して以来、フラッグシップ機では顔認証のFace IDを採用しつつ、指紋認証のTouch IDを廃止しています。
ユーザーがTouch ID復活を望んでもアップルが叶えてくれないなか、自力で「Face ID搭載iPhoneに自力でTouch IDボタンを追加」を成し遂げた猛者が現れました。
この偉業(?)を達成したのは、中古アップル製デバイスの改造を得意とするfix Apple氏です。自称「iPhoneハードウェア技術者」の同氏は、先日もiPhone 14 Pro Maxの画面をサムスンのGalaxy風に湾曲ディスプレイへと改造していました。
今回の改造は、より正確にいえば「A12 Bionicの基板」を使ったもの。おそらくiPhone XSまたはiPhone XS Maxのいずれかを使ったと思われます。どちらもFace IDのみで、Touch IDが搭載されていない機種です。
iPhone A12 CPU device touch id put pic.twitter.com/Da1LuWk6im
— fix Apple ? (@lipilipsi) December 26, 2022
最近のAndroidスマートフォンでは画面内の指紋認証が流行っていますが、この改造では筐体の内部スペースが限られているために使われていません。その代わり、iPad mini(第6世代)やiPad(第10世代)のようにサイドボタンの1つに指紋センサーが埋め込まれています。
さらにA12のダイ(型)に直接パーツを取り付け、リボンケーブルによりサイドボタンに取り付け。その上ロジックボードの丸い切り欠きにハンダ付けのワイヤを丁寧に通したり、できるだけスペースを節約しています。短い動画の最後では、iPhoneが実際に指紋を認識できることが示されています。
アップル独自開発のA15 Bionicは、iPhone 14シリーズとiPhone SE(第3世代)両方に搭載されており、チップやiOSがFace IDとTouch IDともに対応していることは明らかなはず。それでもアップルがフラッグシップ機にTouch IDを復活させないのは、Face IDの方がはるかにセキュリティ対策がしっかりしているためかもしれません。