デジタル
2016/11/4 18:00

1台2役でお得! ドライブもレジャーも記録する小型カメラ ASUS「RECO Sync Car and Portable Cam」

PCメーカーのASUSから、アクションカメラと兼用できるドライブレコーダーの第2弾として「RECO Sync Car and Portable Cam」が登場した。基本的には車載用ドライブレコーダー(ドラレコ)として使うが、バッテリーを本内に内蔵したことから、目的地に到着した後はアクションカメラとして利用できる。そんなシーンを想定して開発されたようだ。実売価格は3万円前後。

↑本体はカメラのレンズ部だけを取り外したようなデザイン。サイズ的には少し大きめではある
↑「RECO Sync Car and Portable Cam」はカメラのレンズ部だけを取り外したようなデザイン

 

150度の広角撮影で隅々までしっかり撮れる

本体を手にしてまず感じたのが製品の形。ちょうどカメラのレンズ部分だけを外したようなデザインで、これを付属キットでクルマに取り付ける。本体は幅60mm×奥行き40mm×高さ60mmとドラレコとしては少し大きめだが、ルームミラーの陰にしっかり収まるサイズだ。面白いのはレンズ側に58mm径のフィルターねじが切ってあり、三脚ネジ穴を装備。この辺りに「カメラ」としても使える本機ならではの主張が見て取れる。

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↑クルマのフロントウインドウに取り付けたところ。モニターレスなのでルームミラー裏がベストポジション

 

センサーにはソニー製CMOSを採用したとうたっており、記録は1920×1080/30Pだけでなく1280×720/30Pも選べ、静止画撮影にも対応。レンズは水平150度の広さを確保し、フロントウインドウの端から端まで十分に写すことができる。また、Gセンサーで衝撃を検知すれば、その録画ファイルを別フォルダに自動保存して上書きされないようにする、ドラレコ必須の機能も装備。

↑周囲の風景を隅々まで鮮明に映し出し、脇を通り過ぎた車種のナンバーまで読み取れる
↑周囲の風景を隅々まで鮮明に映し出し、脇を通り過ぎた車種のナンバーまで読み取れる

 

↑緊急メッセージ機能も備えており、ショックを検知すると自動的に指定先へメッセージが飛ぶ
↑緊急メッセージ機能も備えており、ショックを検知すると自動的に指定先へメッセージが飛ぶ

 

付属のGPSアンテナをクルマのダッシュボードに設置すれば、位置情報を映像にリンクさせて保存することも可能だ。

 

悪条件下でも鮮明な画質に補正する「WDR機能」

ドラレコは基本、悪条件下でも鮮明に撮影できることが求められるが、本機ではこれに逆光時などで白飛びや黒潰れを映像処理で補正するWDR(ワイドダイナミックレンジ)撮影機能を搭載して対応。また、夜間などの暗所ではF1.8の明るいレンズを採用により低ノイズで撮影できるものとしている。

↑夕刻の明暗差が大きいときのカット。WDR機能が動作しているからなのか、暗部の黒つぶれはかなり抑えられている
↑夕刻の明暗差が大きいときのカット。WDR機能が動作しているからなのか、暗部の黒つぶれはかなり抑えられている

 

↑夜間走行時の先行車とその周囲を捉えたカット。悪条件下でもここまでナンバーが読み取れる
↑夜間走行時の先行車とその周囲を捉えたカット。悪条件下でもナンバーが読み取れる

 

 

本体にはモニターを装備していないので、使用するにはスマホに専用アプリ「ASUS RECO」のダウンロードが必須だ。AndroidとiOS用どちらもあり、接続はIEEE802.11b/g/nのWi-Fiを使用。NFC搭載のスマホなら本体に接触させるだけで簡単に設定が終了できる。

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↑専用アプリ「ASUS RECO」の画面

 

電源はシガーライターソケットから取るタイプで、シガープラグにはUSB端子を2口用意。スマホを充電しながら利用することもできる。

 

クルマへの取り付けは「道路運送車両の保安基準(第39条)」で定められている通り、「フロントガラスの上部から20%以内の場所」または「ルームミラーの裏側」に基づいて行う。フロントウインドウへは粘着テープでの取り付けとなるため、まずは電源ケーブルやGPSアンテナケーブルを取り付けた状態で準備する。続いてアングルをスマホのモニターで確認しながら最適位置を決める。決まったところでウインドウに押しつけるように貼り付ければOK。その後で配線を運転の邪魔にならないよう引き回せば作業は終了だ。

 

動作モードは2つ

動作モードは、「ドライブレコーダーモード」と「ポータブルモード」の2通りが用意されている。ドラレコとして利用する時は「ドライブレコーダーモード」を選択しよう。解像度の設定のほか、自動で録画スタートするかは任意に選べるが、ドラレコとして使うなら“自動スタート”にしておく。撮影開始までの時間はかなり速く、数秒程度しかかからないので、エンジンをかけてすぐに走り出しても十分に対応できそうだ。一方で、Wi-Fiは起動後30秒から1分近くかかるようで、スマホでモニターする時は少々待つことになる。

↑動作モードは「ドライブレコーダーモード」「ポータブルモード」の2つ
↑動作モードは「ドライブレコーダーモード」「ポータブルモード」の2つ

 

撮影された動画ファイルは、デフォルトでは1分毎のファイルとして保存され、任意に3分、5分単位でファイルを区切るようにも設定は可能。容量がいっぱいになると古いファイルから順番に上書きされていく。また、本体には加速度センサーが内蔵されており、事故等の衝撃を検知したときは、自動で削除されない別フォルダに保存される。衝撃感知の度合いは設定で調整でき、本体の赤いボタンを押せば任意に気に入ったシーンを保存することも可能だ。

 

ドラレコとして記録した映像はPCの映像ソフトで再生できるが、オススメはWindows用の専用ソフト「Media Player」を使うことだ。記録した映像ファイルをこのソフトに読み込ませると、GPS情報を元にした走行コースと速度、加速度センサーによるGの変化を同時にチェックできるようになる。全体のルートも確認可能だ。ファイルは細かく分けて保存されているが、1つのファイルの再生が終われば自動的に次を再生してくれるのもこのソフトの便利なところだ。

↑一般道での走行をPC用ソフト「Media Player」で再生。位置情報が地図上に表され、速度や加速度の状況も把握できる
↑一般道での走行をPC用ソフト「Media Player」で再生。位置情報が地図上に表され、速度や加速度の状況も把握できる

 

このソフト上で見る映像は、それほど高解像度ではないが、30pで記録されるため、対向車のナンバーも読み取れる十分な解像度は確保。画角もフロントウインドウがすべて収まる広さだ。本体に手ぶれ補正は備えないが、画角が広いのと車載ということもあってブレはほとんど気にならなかった。データはmicroSDカードに保存するが、付属カードは16GB。一応、最大32GBまで認識できるが、自動的に上書きされていくので通常は16GBで十分だろう。

 

アクションカメラとしての使い勝手をチェック

次に「ポータブルモードに切り替えてカメラとして撮影してみる。動画としては解像感こそハイレベルとはいえないものの、一応フルHDの映像は撮影できる。

↑ポータブルモードで撮影するときは、スマホを持ちながらとなるため、決して操作性が良いとはいえない
↑ポータブルモードで撮影するときは、スマホを持ちながらとなるため、決して操作性が良いとはいえない

 

見た目には静止画の方が先鋭感を感じるが、画像サイズは最大でもフルHD(1920×1080)止まり。おそらく解像度的には現在のスマホの方が上になると思う。また、カメラとしてはドラレコモードとは違って、夜間での撮影も得意ではないようだ。ドラレコ時はクルマのヘッドライトで照らされていたせいか、あまりに気にならなかったが、ライトがない状態で撮影するとF1.8のレンズを搭載している割にはノイズは多めとなった。

↑街の風景をポータブルモードで撮影。超広角なレンズによりドラマティックな雰囲気で撮影できている
↑街の風景をポータブルモードで撮影。超広角なレンズによりドラマティックな雰囲気で撮影できている

 

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↑ポータブルモードでマクロ撮影をしようと思っても、固定フォーカスのために意外に近づけない

 

一方で、このモードではバースト(連写)モード、タイムラプス撮影ができるのは最近のカメラらしいスペックと言える。手持ちで左右に振ってみると意外にも歪みは少なく、徒歩撮影ぐらいではブレもほとんど感じないのも良い点だ。

 

本機を使うにあたってポイントとなるのはWi-Fiの接続である。スマホを介しての連携が前提となるが、実際の使用シーンではいちいちWi-Fi接続するのがかなり煩わしかった。一度設定すれば自動的につながるというものの、自宅付近ではスマホが宅内Wi-Fiを優先してしまうため、設定画面で切り替える必要があったのだ。

 

 

ただ、ドラレコとしての能力はかなり高い。設定もスマホを通して細かくできるし、記録できる映像もドラレコとしてはかなりハイクォリティだ。広角レンズであることを活かしてドライブの記録として残しておくのもいいだろう。価格が3万円前後とやや高めではあるが、カメラとしての機能も備えていることも考えれば妥当なところかも知れない。