イラストレーターという仕事柄、資料として大量の本やマンガを読み込むこともあるのですが、カラー液晶のタブレット端末で電子書籍を読んでいると、画面のまぶしさに目が疲れてしまい、長時間の読書ができなくて困っていました。しかも筆者の使っているタブレット端末は重くて、仰向けに寝転びながら読んでいると、うっかりタブレットを落として顔面に直撃するという惨事も……。そこで、もっと手軽に読書ができるように、2016年7月に登場した新Kindle(Newモデル)を試してみました。
小型軽量で持ち運びが便利
まず驚いたのはこれで8980円というコスパの良さ。プライム会員ならなんと4980円! 読書好きの方や普段から目を酷使しがちな人、旅好きにはもちろん、Amazonの定額制読み放題サービス「Kindle Unlimited」に加入した方にもオススメです。
本体は、文庫本よりひとまわり大きいくらいのコンパクトサイズ。前モデルよりも11%薄く、16%軽くなっているということで、片手で持っても苦になりません。画面の端をポチポチとタッチするだけでページをめくれるので、片手で持って操作でき、通勤・通学のお供として、かなりオススメです。
文字の大きさも8通りに変えられるので、老眼の方も問題なし! フォントも明朝/ゴシック/筑紫明朝(楷書体に近い、雅な感じ)と3種類から選べるので、読んでいる内容によって変えてみると、より物語世界に浸れそうです。泉鏡花などは筑紫明朝で読むとグッとくるかも 。
本体には4GBのメモリを内蔵しており、一般的な書籍なら数千冊が保存できます。旅行などで本を何冊も持っていく人だと、荷物をグッと減らせてありがたいですね。ただ、屋外で怖いのが破損! 保護カバーや落下防止ストラップなどがついたケースを装着することをオススメします。せっかくの軽量・薄型化が少し損なわれてしまいますが、背に腹はかえられません!
操作は基本的にタッチ操作となり、ボタン類は電源ボタンのみ。電源ボタンを数秒押しつづけるか、数分間操作しないでおくと自動的にスリープモードに切り替わります。スリープから復帰する場合は、同様に電源ボタンを数秒押します。Amazonの純正保護カバー(3680円)を装着すれば、カバーを閉じるとKindleが自動的にスリープ、開くとスリープが解除されるので、さらに簡単に使用できます。Kindleとあわせて購入しておくとよいでしょう。軽量なスリムフィットカバー(2980円)も選べます。
紙のような読みやすさの電子ペーパーが特徴
Kindleは明るい日差しの下でも読みやすい電子ペーパー(E-inkディスプレイ)を採用しており、紙のようにくっきりした文字で快適に読書が楽しめます。一般的な液晶画面と異なり、LEDバックライトを備えていないので目にやさしいところもポイント! 長時間読んでも目が疲れにくくなっています。
その分、暗いところでは読めませんが、紙の本を読む時のようにライトを点ければ済むのでまったく問題ありません。上位機種のKindle Paperwhiteなどは、画面を照らしてくれるLEDライトを内蔵しているので、寝室などの暗い環境で読みたい人は上位機種を選択するのも手ですね。
筆者は電子書籍でマンガもよく読むのですが、解像度が高い上位機種(300ppi)に比べて、こちらは167ppiと解像度が低く、マンガの小さいコマなど細かい部分はちょっと見劣りする点もありますが、拡大すれば問題なし。むしろテキストは、コントラストが弱めでいいかもしれません。
E-inkディスプレイの特性上、ページが切り替わる時一瞬、画面がネガ反転しますが、慣れれば気になりません。10月末からファームウエアが更新され、このページめくり速度が33%向上したほか、画面端をタッチし続けることで連続してページをめくることも可能です(マンガのみ)。
先日、大容量32GBのメモリーを備えた「Kindle Paperwhite マンガモデル」も発売されたので、マンガがメインの方はそちらをオススメします。やはり絵はコントラストがはっきりとした、美しい方がいいですもんね。
Kindleで読書をしていると、タブレットに比べて目も疲れないし肩も凝らないしと、あまりの快適さに、リゾートのプールサイドで、ダイキリを飲みながらヘミングウェイなど読んでみたくなってしまいます。iPhoneも防水対応になったことですし、次世代のKindleも防水対応になってくれると、海辺やお風呂での新しい読書スタイルを開拓してくれるかも?