アップルの忘れ物トラッカーAirTagのおかげで、窃盗犯が捕まることは珍しくはありません。が、犯人がマニュアル車をどう運転するか知らずに盗もうとして失敗したあげく、AirTag付きの鍵を持って逃げたために逮捕されたという事件が報じられています。
米イリノイ州シカゴの地元メディアCWBChicagoによると、犯人のアンドリュー・モラン(25歳)は「このままでは誰かに殺されるから、車を奪わないといけない」と被害者に言ったとのこと。モランが銃を持っていると思った被害者は、車から降りて近くの店から警察に通報したそうです。
が、その車アウディA3はマニュアル車でした。モランはスティックシフト(シフトレバーを手動で切り替える)の運転方法を知らなかったため、結局は動かせず。そのうち警察のサイレンが近づくにつれて、諦めて逃げ出したそうです。監視カメラには、カージャック未遂の犯行が記録されていました。
その後モランは、シカゴ地下鉄のブルーラインに飛び乗りました。が、警察は被害者の「探す」アプリでAirTagつきの車のキーフォブ(リモコンタイプのスマートキー)を追跡し、アディソン駅で停車中の車内でモランを逮捕したとのこと。他の乗客は、警察が現場に到着したとき、モランがキーフォブを捨てたと証言しています。
つまり、今回の犯人は運転もできないマニュアル車を盗もうとして、しかもAirTag付きのカギを持って逃げたばかりに自分の場所を警察に教えてしまったわけです。もしもカギを盗まなかったとしたら、警察も追跡や逮捕には手こずっていたのかもしれません。
犯人にとっては二重の不運とヘマが重なったかっこうですが、被害者にとっては二重の幸運に恵まれたといえそうです。
Source:CWBChicago
via:9to5Mac