アップルは米国で、後払いシステム「Apple Pay Later(Apple Payで後払い)」を開始しました。2022年6月に発表されていましたが、ようやく実用化にこぎ着けた格好です。
当面は一部のユーザー向けに限られたプレリリース版ですが、今後数か月以内に全ての対象ユーザーに提供する予定だと述べられています。
「Apple Payで後払い」は、購入した商品の支払いを利息や手数料なしで、6週間にわたり4回に分割にできるというもの。Apple Payがオンラインまたはアプリで使える場所であれば、どこでも利用できます。
2023年初めにも、アップルが直営店の従業員に参加させてテストしていたことが確認されており、そろそろ開始も間近だと予想されていました。
クレカ会社化
手続きは、ユーザーがiPhoneの「ウォレット」アプリ内でローンを申し込むところから始まります。利用しただけでは信用(米国では個人の返済履歴などが点数化され、あらゆる金融機関に使われる)に影響はないものの、購入後にはローンや支払い履歴が「信用情報機関に報告され、信用に影響を与える可能性がある」そうです。ローンの額は50ドル~1000ドル(6600円〜13万2700円※)の範囲とされています。
※1ドル=約132.7円で換算(2023年3月30日現在)
また、ローンを申し込んだ場合、ユーザーの財務状況が良好かどうかを確認するため、ソフトプル(信用調査会社からレポートを取り寄せること)を行うそう。要はアップル自体がクレジットカード会社のようにお金を貸し、ユーザーの信用状況を調べるわけです。
そこで承認されると、ようやくローンはApple Payが使える加盟店でのオンラインおよびアプリ内購入で利用できるようになります。また「Apple Payで後払い」を設定しておくと、購入時にApple Payの支払い操作の流れでローンを申し込むことも可能。
「Apple Payで後払い」のローン返済は、「ウォレット」アプリで管理できます。これまでの全てのローン返済額の合計と、今後30日間の返済額の合計が表示されるとのこと。返済期日が近づくと、ウォレットと電子メールに連絡が届くため、計画的に返済できるとうたわれています。
いつ日本でも利用できるようになるのか、そもそも将来的に利用できるのかどうかは現時点で不明。しかし、金融の専門家からは「借金を重ねやすくなる可能性がある」との指摘もあり、もし国内で提供が始まっても、ご利用は計画的にしたいところです。