ソニーは11月12日から、銀座ソニービルにおいて、「It’s a Sony展」をスタートした。このイベントは、ソニービルが50年にわたって歩んできた歴史と今後の進化について、歴代のソニー商品と共に一望しようと企画されたものだ。
ソニーは創業70周年を迎えた今年、新たな時代への挑戦を象徴する取り組みとして、ソニービルを大規模にリニューアルする事業計画「銀座ソニーパークプロジェクト」に着手している。計画によれば、ソニービルの現在の敷地を2018年夏から2020年秋の間は「銀座ソニーパーク」として一般に広く開放。その後2022年までに新しいソニービルを建設して開業する計画でいる。
これにともない現ソニービルは2017年3月31日をもって営業を一旦終了し、一連の工事に着手することになっている。本イベントはこの計画に移行するまでの記念イベントとして企画されたものだ。
そもそも「It’s a Sony」とは、1970年代にアメリカの広告で使われ始めたタグラインで、日本国内では1982年から2000年にかけてテレビCMのサウンドロゴとしても使用された。このフレーズはソニー製品のユニークさや違いを短い言葉で表現したもので、このサウンドロゴを聞くだけで誰もが「あ、ソニー!」と思い浮かべるほど世界中で広く浸透。多くの人がソニーの名前に親しみを抱く大きなきっかけの一つともなった。
会場にはソニー創立時の製品から一世を風靡した懐かしい製品全730点を展示。年代を追う形でフロア別に構成されている。
最初のフロアで見られるのは、各界の著名人10名の思い出のソニー商品をエピソードとともに紹介する「My Favorite Sony」コーナー。その後、ソニーが創立時に製品化した真空管電圧計から、日本発の「G型テープレコーダー」や、すべての製品へ「SONY」のロゴマークを入れることのきっかけとなった日本発のトランジスタラジオ「TR-55」など、ソニー創業時の製品を展示。
続いて既存方式に頼らず独自開発した「トリニトロンカラーTV」や、日本初の一体型ビデオカメラ「ベータムービー」、世界を席巻したポータブルカセットプレーヤー「ウォークマン」、テレビで写真が見られる「マビカ」など、時代の潮流を導いた製品も並べられた。
そのほか、愛玩ロボットとして話題をさらった「アイボ」は開発中に生まれた試作品も含め、全ラインナップを展示。今もなおゲーム機の中心にある「プレイステーション」のコーナーでは、コントローラーを模したディスプレイとともに歴代モデルを見ることができる。ソニーミュージックが提供した音楽ソフトのコーナーでは懐かしいサウンドの試聴もできる見逃せないコーナーも用意された。特に40代以降の人たちにとっては青春が蘇るひと時を過ごすイベントとなりそうだ。
開催期間は2017年3月31日までの全138日間。2016年11月12日~2017年2月12日までの前半は、「歴史」をテーマに過去のソニー製品を展示。2017年2月17日~3月31日(金)までの後半は、「未来」をテーマとして2018年夏にオープン予定の「銀座ソニーパーク」の様子を先取りして見られる企画となる。懐かしいソニー製品を見たいならこの前半がチャンスだ。入場料は全期間にわたって無料となっている。