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2023/8/22 10:00

サムスン折りたたみスマホが日本にも登場。個性が光る「Galaxy Z Flip5」、一台二役の「Galaxy Z Fold5」

サムスン電子ジャパンは、折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip5」と「Galaxy Z Fold5」を日本向けに発表しました。NTTドコモとau(KDDI)から発売されます。

 

どちらのモデルも、画面を折りたたんで持ち運べる特徴は共通していますが、製品としての特徴付けは異なっています。縦折り型のGalaxy Z Flip5は普通のスマホをスタイリッシュに持ち歩けることが特徴。価格は一般的なハイエンドスマホと変わらない程度に抑えられています。

 

一方で、横折り型のGalaxy Z Fold5は閉じるとスマホに、開くとタブレット程度の大きさになる、二刀流の使い方ができる点が特徴で、スマホとしては最上位の価格帯に位置しています。

 

サブディスプレイの大型化で個性が発揮されたGalaxy Z Flip5

Galaxy Z Flip5はサブディスプレイの大型化によって、より個性を表現できるように進化しました。両面とも高耐久ガラス貼りで、側面はアルミフレームでスタイリッシュかつモダンな仕上げ。カラーバリエーションは自然界にある色を取り入れた4色展開。シックなグラファイト、柔和なラベンダー、マイルドなクリーム、そして爽やかなミントから選べます。

↑Galaxy Z Flip5

 

縦折り型はたたむと小さな正方形になるので、ポケットやミニバッグにもスッと収まります。なかでもGalaxy Z Flip5は折りたたみ構造が改善されており、たたんだときの厚みは前世代モデル比で2mm薄い15.1mmに。内側の膨らみが少なく、より端正な見た目になっています。

↑折りたたんだ状態で横から見たときに、ピッタリと閉じられるようになったのは今作の改良ポイント

 

閉じた状態の画面は「フレックスウィンドウ」という名前が付き、前世代モデル比で278%も大きい3.4インチに拡大しました。この画面は表現力の高い待受画面のようなもので、好みの壁紙やGIFを表示できます。

 

フレックスウィンドウでは、一部のアプリをそのまま動作させることも可能です。たとえばLINEでメッセージをやり取りしたり、YouTubeやNetFlixで動画を再生したり、Google マップでナビを確認するといった操作は、折りたたんだ状態で行なえます。通知を確認できるほか、天気アプリやカレンダーなどの純正アプリには専用の画面も用意されています。

↑Google マップを表示。慣れてしまえばフレックスウィンドウでも操作はしやすそうです

 

↑天気も大きく表示され見やすいです

 

フレックスウィンドウが活躍するもうひとつの用途がカメラです。カメラのプレビュー画面を大きく表示できるので、高画質な背面カメラを使ったセルフィー(自分撮り)も簡単です。写真の色合いの調整なども折りたたみ状態で設定できます。開いて撮るときも、カメラのプレビューをメインディスプレイとフレックスウィンドウの両側に表示できるので、どういう感じで撮られているのかを確認しながらモデル撮影ができます。

↑フレックスウィンドウでセルフィーするとこんな感じに

 

↑背面カメラは超広角1200万画素と広角1200万画素の2眼構成

 

内側の画面は 6.7インチの有機ELディスプレイを搭載。縦長なので、上下にアプリを表示するような使い方も快適です。たとえば画面上部で動画を再生しながら、LINEのメッセージを返すためにキーボードを表示しても、表示領域に余裕があります。

↑Galaxy Z Flip5を開いたとき。縦長なので、基本は両手で操作になりそうです

 

Galaxy Z Flip5は開きかけた状態で画面を表示することもできます。たとえば、テーブルの上などに置いて動画を再生したり、スマホを固定した状態で写真や動画を撮影したりという使い方が、スマホスタンドなしで可能です。筆者はGalaxy Z Flipの初代モデルを2年ほど使用していますが、スタンドなしの動画再生は特に重宝しました。手狭なキッチンで動画を再生しながら料理しているときに、見やすい角度で固定できるGalaxy Z Flipはほかにない使いやすさです。

↑角度を付けてテーブルなどに置いて使えます

 

スマホの性能の要となるチップセットは最新・最上位の「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」を搭載。防水やおサイフケータイにも対応していて、“普通のスマホ”の感覚で使えます。未来を先取りするような、スタイリッシュな折りたたみスマホといえるでしょう。

 

スマホとタブレットが1台になった感覚のGalaxy Z Fold5

Galaxy Z Fold5は、閉じた状態では縦長のスマホとして、開くと新書サイズの小型タブレットとして、一台二役に活躍します。Galaxy Z Flip5と同様にヒンジ構造を改善していて、ピタリと閉じられるようになっています。

↑Galaxy Z Fold5

 

前世代モデルから比べて重さは約10g軽量化。約253gと依然として、スマホとしては重量級ですが、たとえばiPhone 14 Pro Max(約240g)と比べると13gしか変わりません。その重さの差で縦長スマホと薄型タブレットの両方をひとつにまとめたと捉えると、その便利さに気づくでしょう。スマホとタブレットの2台持ちが煩わしいと思ったときにはGalaxy Z Fold5は良い選択肢となるかもしれません。

 

手書きのSペンは別売りで、使う場合は格納ケースの「Slim S Pen Case」という専用アクセサリーが必要です。Sペンはワコムの技術によって、筆圧検知付きの滑らかな筆記を可能としています。ペンは防水対応に、専用ケースはスリムな形状に改良されていて、Galaxy Z Fold5が果たした軽量化のメリットも損ねません。

↑Slim S Pen Case装着イメージ

 

メインのフォルダブルディスプレイは7.6インチと大きく、情報を一目で把握できます。たとえばPDFファイルを確認したり、カレンダーで1週間の予定をサッと把握したりするときにも実用的です。

↑Galaxy Z Fold5を開いたとき。タブレットとして見ても決して小さい画面ではありません

 

↑閉じたとき。スリムですが、スマホとしての操作性は十分ある画面の大きさです

 

Galaxy Z Fold5は、大画面を生産的に使うための工夫もしっかり取り入れられています。スマホとしては本格的なマルチタスク操作にも対応しており、アプリを画面下部のタスクバーに表示して、左右の2画面で起動したり、ウインドウ形式で3つ目のアプリを開いたりできます。

 

マルチタスク操作で使えるジェスチャー機能も豊富に用意されていて、今作では新たに両手でのマルチタスク操作に対応。たとえば、片手の指で写真などを長押しして、もう1本の指でタスクバーから新しいアプリを開いて共有するといった操作もできます。

 

もちろん、開きかけの状態で動画再生も可能です。Galaxy Z Fold5では、画面半分のアスペクト比がほぼ2:1の比率になるため、ハリウッド映画のような横長の動画は画面サイズにピッタリの比率で再生できます。さらに再生中の下画面に動画のコントロールバーが表示されるようになっており、再生・停止や10秒スキップ・巻き戻しといった操作を手軽にできるようになっています。

↑動画再生時。画面上部が動画で、下部にコントロールバーが表示されます

 

背面のメインカメラは望遠、広角、超広角の3眼仕様。Galaxy Z Flip5と同様に、背面カメラを使ったセルフィーもできます。インカメラは内側ディスプレイの画面下に目立たないように備えており、開いた状態でもカメラによる顔認証が利用できます。

↑背面カメラ

 

チップセットはSnapdragon 8 Gen 2 for Galaxy搭載。加えて冷却機構のベイパーチャンバーを38%大型化しており、グラフィックにこだわった大作ゲームもスムーズに起動できます。防水やおサイフケータイにも対応しており、手に持ったときの重さが許容できるなら、一般的なハイエンドスマホと変わらない感覚で利用できるでしょう。スマホを能動的に使って情報を集めたい人や、手書きのメモを積極的に活用している人にはおすすめの1台です。

 

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