ビデオ会議サービスのZoomは、出社せずにオフィスにいる人たちと共に働くリモートワークの代名詞でもあります。しかし、そんなZoomの社内会議で、エリック・ユアンCEOが「在宅勤務では信頼関係が築けず、革新的な仕事ができない」と発言した音声がリークされました。
2023年8月初め、Zoomは会社のオフィスから50マイル(約60km)以内で働くスタッフに週2日は出勤するよう伝えたと報じられていました。その決定は、この考えに基づき下されたそうです。
しかしZoomは、表向きには「自宅にいながらオフィス内での没入型コラボレーションを実現」と約束。ユアン氏の発言とは食い違っているようです。
上述のユアン氏の発言は、8月3日に開催された社内会議で行われたもの。「ここ数年、多くの “Zoomies “(Zoomでリモートワークする人)を採用したため、信頼関係を築くのが本当に難しくなっています」と話したとのことです。
かたやZoom公式サイトによれば「Zoomに切り替えた顧客はパフォーマンス、信頼、エンゲージメントが向上したと報告」しているはず。95%は信頼感が増したとアピールされています。
ユアン氏がオフィス勤務にこだわるもう1つの理由は、より白熱した会話や議論をすることで革新を促進するため。「Zoom通話に参加すると、誰もが非常に友好的になる傾向がある」ため、革新的なアイデアが生まれにくいようです。
しかし、ユアン氏はZoomの将来について大きな構想を持っている模様。2022年に米スタンフォード大学で講演した際、今後5年間で「Zoom 2.0」と呼べるものを開発するため、力を貸してくれるよう学生たちに呼びかけていました。
そこでは「われわれの観点や、技術的な観点からは、Zoomはもっと良い体験を提供できると本当に信じています」「私があなたと握手する。あなたは私の手が震えているのを感じる。私があなたをハグをすると、あなたは私の親密さを感じる。たとえ話す言葉が違っても、お互いを理解できる」と語ったそうです。
そうした未来型Zoomは当分先のようですが、ユアン氏は現在のZoomから顧客離れを防ぐために頭を痛めているのかもしれません。
Source:Business Insider
via:Ars Technica