格安SIMやスマホのお得な情報、最新ニュースを発信するメディア“モバワン”では、「速度、料金などで評価。携帯のプロ274人に聞いた通信キャリアの満足度は?」というユーザー調査レポートを公開。今回はその内容をGetNavi web読者に解説していきます。
今回聞いた“携帯電話のプロ”は、スマホ業界の老舗企業に勤める社員274人で、アンケート調査を実施。業界にいるまさしくプロたちが、「キャリアに対してどれくらい満足しているのか」がわかる結果となっており、「これからキャリアを変えたい」「2台目のスマホを持ちたい」といった方にとって、有益な内容となっているはずです。
大手通信キャリアが運営する格安SIM会社&格安プラン。時代は移行期なのか
まずは、簡単な業界の構造から説明したいと思います。大手通信キャリアであるドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルはメジャーブランドとして業界を引っ張る立場でありながら、実はそれぞれが格安SIM会社および格安プラン(ネットのみの受付)を運営しています。代表的なのは、ドコモがahamo、auがUQモバイルとpovo、ソフトバンクがワイモバイルとLINEMOといったところです。楽天モバイルだけは持っていない代わりに、すでに格安SIM会社並の料金プランを提供しており、前述した3社と少し状況が違います。
いずれの格安SIM会社/ブランドも、回線を親会社である大手通信キャリアとほぼ同じ品質で提供しているため、速度が遅くならないうえに大きく月額料金を抑えられるというメリットがあります。ちなみに著者もUQモバイルを使っていますが、問題を感じたことはありません。
大手通信キャリアを利用する理由のひとつとして、かつてはキャリアに紐づいたメアドもありましたが、今ではSNSやGmailなどがコミュニケーションの中心であり、キャリアに付属するメアドは不要。もっといえば、LINEやFacebookのMessengerでもコミュニケーションは取れますので、データ容量だけある程度確保されていれば、まったく問題なしという方もいるでしょう。
ちなみに格安SIM会社については、上記だけではなく、イオン(イオンモバイル)やHIS(HISモバイル)、インターネットイニシアティブ(IIJmio)といった企業も参入し、もはや群雄割拠状態。今回はそのあたりは割愛し、本題であるキャリアの満足度にフォーカスします。
速度はUQモバイルがトップ、何かと話題の楽天モバイルは低評価
上の表では、速度、料金、データ容量、カスタマーサポート、連携サービスの充実度(ポイント還元やサブスクリプションサービスの割引など)の観点から各項目を5点満点で評価。結論から言うと、満足度の第1位に輝いたのはUQモバイルで、2位がワイモバイル、3位がLINEMOという結果となりました。メインブランドが入ってこなかったのは意外だったでしょうか?
特に、UQモバイルとワイモバイルが総合満足度(平均値)で3.6以上をつけ、高い評価を得ていることがわかります。両ブランドは回答者に占める割合も比較的多いことから、プロ目線でも十分に信頼を獲得しているのでしょう。
細かい項目で見ていくと、速度では、意外にも大手を抑え、UQモバイルがトップで、ソフトバンクとauが続きます。特筆すべきは、楽天モバイルへの評価の低さ。しかし、楽天モバイルは新たな料金プラン「Rakuten最強プラン」を発表し、公式サイトでは“データ高速無制限エリアが超拡大”とうたっていることから、今後のエリア拡大と安定的な通信速度に期待したいところです。
料金面では楽天モバイルの支持率が高い
料金では、UQモバイルがトップで、楽天モバイル、LINEMOが続きます。実は、UQモバイルよりも月額料金が安い格安SIM会社は複数あるのですが、票を入れたユーザーは満足度の高さから”お得感”を感じているのかもしれません。速度では低迷した楽天モバイルも料金では健闘しています。
データ容量は、無制限プランを提供している大手4社の独壇場かと思いきや、ワイモバイルへの支持率が顕著に。ワイモバイルは、シンプルLプラン(25GB/月額税込4158円)があり、他社では20GBまでのプランが多いなか、少しの差が評価を高めているのかもしれません。
カスタマーサポートについては、やはり店舗の多い大手3キャリアやサブブランド(UQモバイル&ワイモバイル)が高い満足度を獲得しています。
連携サービスの充実度は、ソフトバンク、au、LINEMOがトップ3を飾りました。ソフトバンクは、ヤフオクやPayPayとの連携が目立ち、それらのユーザー数の多さからも評価が高いことがうかがえます。auは“スマホライフにもっとワクワクを”をコンセプトに、大人気の動画配信サービス「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」、「DAZN」などの割引も提供していることから支持されたと思われます。LINEMOはLINEとの連携サービスが多く、LINEのトークも通話もデータ通信量を気にせず、使い放題となるLINEギガフリーは有名です。
40代以降は格安SIMに、若い世代は大容量に満足する結果に
また、10〜60代以上という年代別でもキャリアに対する満足度のデータを集めました。興味深い数字だったのが、40代以降の格安SIMや格安プランへの支持率の高さ。ワイモバイル、ahamoがともに上位2位を占め、大手通信キャリアは軒並み低調な結果に。一方、20〜30代には大手通信キャリアと格安SIM会社の両方に支持が集まりました。
世代によって大手通信キャリアのドコモやauへの評価の分かれた背景には、やはり「無制限プランを必要としているか否か」があるかと見られます。インスタやTikTokなどのSNS、YouTube、Amazonプライム・ビデオ、Netflixなどの動画配信サービスなどを通勤・通学途中によく利用する若い世代にとっては無制限(大容量)プランやauのエンタメパックは魅力的。一方、40~50代以上の多くは20GBもあれば十分なため、格安SIM会社や格安プランを選んでいる人が多いと思われます。仮に、小容量プランでも大手通信キャリアを選んだ場合は、格安SIM会社に比べるとかなり割高になってしまいます。
プロ目線でジャッジするキャリアへの満足度調査、いかがでしたか? 前述しましたが、筆者もすでに格安SIM会社を利用し、通信に対しては何も不満はないことから、今後は格安SIM会社への乗り換え需要が高まっていくと見られます。
大手から格安SIM会社への乗り換え記事ほかお得な情報は、モバワンでも詳しく紹介していますので、ぜひ一度のぞいてみてください。また、今回アンケートした内容は、モバワンのサイトでも公開しており、上記だけではなく、不満足な点や使い続ける理由も紹介。同時に口コミ・レビューの投稿も受け付けていますので、ぜひともアクセスしてみてください。