米スタートアップのrabbitが、AIがユーザーに代わってアプリを操作してくれるモバイル端末「rabbit r1」を発表しました。
rabbit r1は、小さな2.8インチのタッチ画面とスクロールホイール、2つのマイクと「360度回転する目(カメラ)」を備えたデバイス。基本システムソフトウェアとしてRabbitOSを搭載しています。
ChatGPTのようなチャットボットAIがテキストをベースとしたLLM(大規模言語モデル)を基盤としているのに対して、RabbitOSはLAM(大規模アクションモデル)を採用。アプリやUI上での操作といった人間の行動から学び、指示に応じて的確なアプリ操作ができるようになるわけです。
ユーザーは、側面にある「プッシュトゥトーク」ボタンを押し続けながら音声で質問したり、仕事を依頼したりします。すると画面内のウサギの頭がゆっくりと揺れ、すぐに仕事に取りかかります。
例えば、配車アプリで職場から家まで予約したり、Spotifyで好みの曲を再生するように頼んだり、冷蔵庫の中味を見せて、おいしくて低カロリーな料理のレシピを質問したり。これらをrabbitのCEO自らが基調講演でデモしていますが、なかなか順調に動作しているようです。
RabbitOSは「最も人気のあるアプリ」が動くように訓練されており、それぞれ事前に公式サイト「rabbit hole」を経由してログインしておく必要があります。
一方、RabbitOS側ではID情報やパスワードを保存しません。また、何かの注文などはユーザーの許可を得たうえで行うとのこと。そのため「安全性、セキュリティ、効率が向上します」とrabbitはうたっています。
もちろん、r1にはまだ未知の部分が数多くあります。同社はバッテリーの持ちが「一日中」と言っていますが、実際にはどうなのか? 一般ユーザーは簡単に訓練できるのか? AI処理はデバイス内ではなくクラウドサーバー上で行っているようで、インターネット環境がない場所での動作も気になるところです。
このデバイスがどこまで役に立つかは不明ですが、海外メディアの反応はおおむね良好です。
例えば、米Engadgetは、バーチャルアシスタント専用ガジェットの必要性に納得がいかなくとも「美的魅力は否定しがたい」とかわいさを強調。また、9to5Googleは、ポケットに収まるコンパクトさが「小型デバイス愛好家にとっては素晴らしい」と述べ、物理的なホイールも高く評価しています。
価格は199ドル(約2万9000円※)で、公式サイトにて予約受付中です。出荷予定日は3月か4月とのことで、この価格であれば気軽に試せるのかもしれません。
※1ドル=約145.5円で換算(2024年1月11日現在)
Source:rabbit
via:9to5google,Engadget