血中酸素モニター機能を搭載したApple Watch Series 9とApple Watch Ultraは、米国では輸入・販売禁止となりました。すでに販売済みの製品では引き続き利用できますが、新たに販売される分については機能が削除される見通しです。
この血中酸素モニター(アップルの呼び方では「血中酸素ウェルネス」機能)のおかげで、14歳の少年が命を救われたことが明らかとなりました。
米メディアのAppleInsiderによると、ジョセフと名乗るApple Watchユーザーが、血中酸素ウェルネスアプリを危機的な状況で使ったことを、アップルのティム・クックCEOに報告したとのこと。ジョセフさんはその体験談とクックCEOの返答をAppleInsiderにメールで送ったそうです。
ジョセフの14歳の息子は、ペルーの標高1万4000フィート(約4267m)の高地で急性高山病を発症したといいます。この症状は2500m以上の高度に急に登ると起こりやすく、3500m以上では重症化しやすいとされています。
幸いなことに、ジョセフはApple Watchを持っていたため、助けが来るまで夜通し息子の血中酸素濃度を見守ることができました。
そうした出来事をクックCEOにメールしたところ、「恐ろしい状況だったようですね。息子さんは、もう大丈夫だと信じています。彼の話を聞かせてくれてありがとう。よろしくお伝えください」との返事がもらえたとのことです。
アップルを特許侵害で訴えた医療機器会社Masimoのジョー・キアニCEOは、Apple Watchの血中酸素ウェルネスアプリは信頼性が低く、消費者は使わないほうが良いと述べていました。
しかし、この機能に命を救われた人がいることが事実であれば、両社の歩み寄りが望まれるかもしれません。
Source: AppleInsider