アップルは一時、Apple WatchのAndroid対応を検討していたものの、結局キャンセルしたと米9to5Macが報じています。
これは先週、米司法省がアップルを独禁法違反として提訴したことを受けてのものです。アップルの匿名情報筋は9to5Macのチャンス・ミラー氏に、Apple WatchをAndroidに対応させるため3年を費やしたものの、最終的には技術的な制約から実現不可能だと判断。そのため、このプロジェクトは中止したと語っています。
司法省はアップルが市場を独占しているという根拠の1つが、iPhoneでサードパーティ製スマートウォッチの機能を制限する一方、Apple WatchユーザーがiPhoneから(Androidに)乗り換えるのを困難にしていることだと主張しています。以下、その趣旨を箇条書きします。
- Apple WatchはiPhoneとしか互換性がない
- アップルがユーザーをApple Watchの購入に誘導できれば、そのユーザーが別の種類のスマートフォンを購入するには、高価なApple Watchを捨てて、新たにAndroidと互換性のあるスマートウォッチを購入する必要がある
- それはコストがかかるため、iPhoneからAndroidに乗り換えにくい
アップルがApple WatchのAndroid対応を検討していたが、結局は放棄したという証言は、同社の内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman氏による記事とも一致しています。
その記事によれば、アップル社内ではApple Watchと健康アプリをAndroidスマホと互換性を持たせる「プロジェクト・フェンネル」(Project Fennel)が進行。しかし、「AndroidにApple Watchを譲れば、iPhoneに対するウォッチの価値が薄れてしまう」というビジネス上の配慮から中止になったとのことです。
もしもApple WatchのAndroid対応が実現していれば、実際にiPhoneからAndroidスマホに乗り換えるユーザーがさらに増えていたのかもしれません。
Source:9to5Mac