携帯電話料金の割引サービスのひとつに、家族で同じ通信キャリアに加入すると月額料金が割引になる「家族割引」があります。多くの通信キャリアが採用している割引ですが、大手通信キャリアの一角である楽天モバイルにはこれまで、その家族割引の設定はありませんでした。
ところが2024年2月、楽天モバイルが「最強家族プログラム」を突如スタートさせて話題になっています。元々安価な料金が家族割でさらに安くなると歓迎する声がある一方、他社と比較して割引額が少ないという声も聞かれます。
そこで本記事では、格安SIMやスマホのお得な情報・最新ニュースを発信するメディア・モバワン編集部が、最強家族プログラムを始めとする各通信キャリアの家族割引を比較・解説していきます。
3GBまでなら月額1000円を切る楽天モバイルの最強家族プログラム
まずは、楽天モバイルが2024年2月21日に開始した最強家族プログラムの仕組みをチェックしてみましょう。
このプログラムは家族全員の利用料金が月額110円(税込)割引となるもので、名字が同じなら離れて暮らす家族も対象となり、最大20回線まで適用することが可能です。
割引金額が110円とあまり大きくはありませんが、割引を適用させることで3GBまでの料金が1000円を切るのは魅力と言えるでしょう。
楽天モバイル「最強家族プログラム」
データ容量 | 通常月額料金 | 割引適用時の月額料金 |
~3GB | 1078円 | 968円 |
~20GB | 2178円 | 2068円 |
~無制限 | 3278円 | 3168円 |
※価格は税込です(以下すべて同様)
ほかの大手通信キャリアの家族割引は割引額が大きい
次に、楽天モバイルを除く大手通信キャリアの家族割引プログラムをチェックしてみましょう。
ドコモ・au・ソフトバンクの家族割引プログラム
会社名・割引名 | 割引額 |
ドコモ「みんなドコモ割」 | ・2回線:-550円 ・3回線以上:-1100円 |
au「家族割プラス」 | ・2回線:-550円または-220円 ※1 ・3回線以上:-1100円または-550円 ※1 |
ソフトバンク「新みんな家族割」 | ・2回線:-660円 ・3回線以上:-1210円 |
※1 プランにより割引額が異なる
楽天モバイルの最強家族プログラムは、プログラムに参加する家族の人数に関わらず一律に110円の割引になりますが、ドコモ・au・ソフトバンクの場合は、契約回線数によって割引額が変わる仕組みになっています。割引額はソフトバンクが若干大きいものの、ほぼ横並びの結果になっており、最大で1000円程度の割引を受けることが可能です。
以上を踏まえて、大手通信キャリア4社の無制限プランに家族割引を適用させた場合の料金を、一覧で比較してみましょう。
使用データ容量ごとの料金比較(家族割引適用後)※2
楽天モバイル 「Rakuten最強プラン」 | ドコモ 「eximo」 | au 「使い放題MAX 5G」 | ソフトバンク 「メリハリ無制限」 | |
~1GB | 968円 | 3465円 | 4488円 | 4565円 |
~2GB | 4565円 | |||
~3GB | 6215円 | |||
~20GB | 2068円 | 6215円 | 6138円 | |
無制限 | 3168円 |
※2 家族で3回線以上契約した場合の割引金額を適用
ドコモ・au・ソフトバンクの3社は家族割引の割引額は大きいものの、楽天モバイルは元の価格が安価なため、割引を適用させてもなお楽天モバイルのほうが大幅に安いことがわかります。
格安SIMサービスにもある家族割、楽天モバイルとの価格差は?
元から安価な料金でサービスを提供している格安SIMサービスの場合、家族割引を提供していないケースが多く見られます。またキャリアのサブブランドであるpovo、LINEMOには家族割引の設定がありません。
まれに、期間限定の「家族割引キャンペーン」を開催して、数か月間のみ月額料金を割り引くこともありますが、家族割引を常設している格安SIMサービスは多くありません。
そんななかでも、常設の家族割引を設定している格安SIMサービスを3社ピックアップして紹介します。
格安SIM会社の家族割引プログラム
会社名・割引名 | 割引額 |
UQモバイル「家族セット割」 | -550円 |
ワイモバイル「家族割引サービス」 | 2台目以降-1100円 |
mineo「家族割引」 | ・2回線:-55円 ・3回線以上:-165円 |
格安SIMサービスの家族割引は、大手通信キャリアのものと比較して価格が控えめであることがわかります。また、ワイモバイルの家族割引サービスは月額1100円割引と金額が大きく見えますが、割引が適用されるのは2台目以降で、1台目は割引されないことに注意が必要です。
次に、これらの割引を適用させた料金と楽天モバイルの料金を比較してみましょう。
使用データ容量ごとの料金比較(家族割引適用後)
楽天モバイル | UQモバイル | ワイモバイル※3 | mineo※4 | |
~1GB | 968円 | 1727円(トクトクプラン) | 1265円(シンプル2S) | 1133円(マイピタ1GB) |
~2GB | 1815円(ミニミニプラン) | 1353円(マイピタ5GB) | ||
~3GB | ||||
~4GB | 2068円 | |||
~5GB | 2915円(トクトクプラン) | 2915円(シンプル2M) | ||
~10GB | 1793円(マイピタ10GB) | |||
~15GB | 2013円(マイピタ20GB) | |||
~20GB | – | 4015円(シンプル2L) | ||
~30GB | 3168円 | – | – | |
無制限 | – |
※3 2回線目以降の価格
※4 デュアルタイプ3回線目以降の割引額を適用した場合の料金
大手通信キャリア4社を比較した際は、どのデータ容量でも楽天モバイルが最安値という結果になりましたが、格安SIMサービスとの比較の場合は異なる結果となりました。特に、毎月5GB程度のデータ容量を使う場合、楽天モバイルは2068円、mineoは1353円と1か月で約700円の価格差が生まれています。
一方、3GBまでの小容量や30GB以上の大容量を使う場合、楽天モバイルが最安値となっています。
家族全員で乗り換えを考えている場合、それぞれが毎月どの程度のデータ容量を使用するかを把握してから、最適な通信キャリアを選択する必要があると言えるでしょう。もちろん、つながりやすさなどを考慮するとまた変わった選択肢になります。
モバワンではほかにも、楽天モバイルの最強家族プログラムに関する記事や、各社の家族割に関する記事などを多数公開しています。家庭の通信費削減を検討している人は、ぜひアクセスしてみてください。