大手通信キャリアはそれぞれ、「ドコモ経済圏」「au経済圏」「PayPay経済圏(ソフトバンク)」、そして「楽天経済圏」と呼ばれる、ポイント経済圏を構築しています。
各社とも囲い込みのため、特定のスマホプランに加入するとポイント還元率などが優遇される「ポイ活・マネ活プラン」の展開を進めており、2024年4月1日にはNTTドコモも新料金プラン「ドコモポイ活プラン」の提供を開始しました。
本記事では、ドコモポイ活プランの概要を解説するとともに、他社のポイ活・マネ活プランもチェックしていきます。
ドコモは「ahamo ポイ活」が先行スタート
ドコモポイ活プランは、「ahamo ポイ活」と「eximo ポイ活」の2つがラインアップしています。このうち2024年4月にスタートしたのはahamo ポイ活です。eximo ポイ活は、2024年の夏~秋頃の開始を予定しており、詳細はまだ発表されていません。
ここからは、ahamo ポイ活の仕組みをチェックしていきましょう。
ahamo ポイ活の仕組み
月額料金 | 概要 | |
ahamo | 2970円 | 月間20GBのデータ容量+国内通話5分無料 |
大盛りオプション | 1980円 | 月間80GBのデータ容量 |
ポイ活オプション | 2200円 | オプション加入でdポイントの還元率がアップ |
合計 | 7150円 | ー |
※価格は税込です(以下同)
ahamoは月額2970円で20GBのデータ容量が使えるワンプラン制が採用されています(国内通話5分無料も付帯)。
この基本プランに月額1980円で80GBのデータ容量を追加できる「大盛りオプション」と、月額2200円の「ポイ活オプション」を適用させた、合計7150円のサービスがahamo ポイ活と位置づけられています。注意したいのはポイ活オプションを付ける場合、必ず大盛りオプションも適用しなければならないという点。毎月100GBも使用しない人には不向きなサービスと言えるでしょう。
7150円を支払ってahamo ポイ活に加入し、さらにd払いを使って決済をすると、ポイント還元率が+3%になるという特典を受けることができます(上限4000ポイント/月)。
ポイ活オプション還元の仕組み
ポイント還元対象となる 支払い方法 | d払い |
特典内容 | dポイント(期間・用途限定) +3%還元 |
ポイント上限 | 4000ポイント |
+3%は、他社と比較して際立って大きな還元というわけではありません。ただし、注目したいのは、サービス開始と同時に始まったキャンペーンです。上限は4000ポイント/月と変わりませんが、キャンペーン期間中は+10%還元と高水準になっています。
こちらのキャンペーンは当面継続が予想されるので、キャンペーン期間中に限ってahamoを契約するという使い方でも良いでしょう。
個性が異なる大手通信キャリアのポイ活・マネ活プラン
ほかの大手通信キャリアは、ドコモに先行してポイ活・マネ活プランを展開しています。ここからは各社のプラン概要を見ていきましょう。
特典内容の幅広さが魅力の「auマネ活プラン 5G/4G」
auマネ活プラン 5G/4Gの概要
月額料金 | 7238円 (auスマートバリュー適用で1100円割引可) |
データ容量 | 無制限 |
特典内容 | ・最大800円相当(不課税)のau PAY残高付与 ・au PAYゴールドカードで「auマネ活プラン」の料金を支払うと、12か月間のみPontaポイント20%還元 ・au PAYゴールドカード+au PAY利用で最大2%還元 ・au PAYゴールドカード決済で最大1.5%還元 ・auじぶん銀行の円普通預金金利が最大で年0.33%(税引前)になる ・auカブコム証券のクレカ積立時、ポイント還元率が12か月間のみ合計最大3.0%になる(13か月目以降は2.0%) |
auは、ポイ活・マネ活向けプランとして、「auマネ活プラン 5G/4G」を提供しています。このプランの大きなメリットは、特典内容の幅広さ。au PAYゴールドカード、auじぶん銀行、auカブコム証券など、au経済圏のサービスを使えば使うほどお得になる仕組みとなっています。
ただし、特典期間が12か月間のみなど、一部制限があることに注意が必要です。
なお、auマネ活プランには、自宅インターネットとのセット割引「auスマートバリュー」の適用が可能なため、セットで契約できる人は月額料金が上記の金額から1100円割引となります。
割引を適用できるかでお得度が変わるソフトバンクの「ペイトク」
ペイトクの概要
月額料金 | ・ペイトク30:7425円 ・ペイトク50:8525円 ・ペイトク無制限:9625円 |
データ容量 | 30GB/50GB/無制限 |
特典内容 | PayPay(残高/クレジット)支払時に 利用プランに応じてポイント還元率がアップ【ペイトク30】 ・還元率+1%、初めてのペイトク適用から3か月間のみ+2%(月間上限1000円相当)
【ペイトク50】 ・還元率+3%、初めてのペイトク適用から3か月間のみ+6%(月間上限2500円相当)
【ペイトク無制限】 ・還元率+5%、初めてのペイトク適用から3か月間のみ+10%(月間上限4000円相当) |
ソフトバンクは、プランに加入することでPayPayの支払い還元率がアップする「ペイトク」を提供しています。月間データ容量が異なる3つのプランがラインアップされており、それぞれ還元率と月間の還元上限に違いがあることが特徴です。
それぞれのプランを見て、まず気になるのは高額な月額料金でしょう。「ペイトク無制限」の場合、月額1万円近くと他社よりもかなり高い水準となっています。ただし、ペイトクには家族割引や自宅インターネット割引などを複数適用できるので、最大で2497円の割引を適用できます。仮にペイトク無制限に割引を最大限適用すれば月額は7128円となり、auマネ活プランとほぼ同水準になります。
ソフトバンクを使う場合、割引を適用できるかがお得の分かれ目であると覚えておきましょう。
SPUが+4倍とかなり魅力な「楽天最強プラン」
楽天最強プランの概要
月額料金 | 最大3278円 |
データ容量 | ・3GBまで:1078円 ・3GB超20GBまで:2178円 ・20GB超無制限:3278円 |
特典内容 | SPU(スーパーポイントアッププログラム)が+4倍になる(月間獲得上限2000ポイント) |
楽天モバイルは、auやソフトバンクのようにマネ活・ポイ活専用のプランは用意されておらず、「楽天最強プラン」のワンプランのみとなっています。
しかし楽天最強プランは、加入するだけで自動的にSPU(スーパーポイントアッププログラム)が+4倍になり、楽天市場での買い物がお得になります。
SPUは、楽天トラベル5000円以上利用で+1倍、楽天ブックス3000円以上利用で+0.5倍などが一般的。そんな中、プラン契約をするだけで+4倍になるのは非常に魅力的です。楽天経済圏でポイントを重点的に貯めたい人は、乗り換えを検討してみましょう。
ポイ活・マネ活プランは2つの傾向に分けられる
ここまで解説してきたとおり、大手通信キャリア4社のポイ活・マネ活プランを比較すると、各社とも特色のあるサービスを展開しています。
大きく分けると、
・ドコモとソフトバンクはd払いやPayPayなど、決済利用時の還元が手厚い
・auと楽天モバイルは、銀行や証券などのサービスを広く使うことで還元がより手厚くなる
という2つの傾向があると言えるでしょう。
月々のお金の使い方、決済方法、また家族構成などによってお得なプランが変わるので、各社の特徴を捉えたうえで自分に最適なサービスをチョイスしてください。