ソフトバンクのオンライン専用ブランドLINEMOが2024年7月下旬、新料金プラン「LINEMOベストプラン」の提供を開始します。これまでのLINEMOは3GBと20GBという2つのデータ容量から選ぶ仕組みでしたが、新プランでは使ったデータ量に応じて料金が変化するシステムへと変更になりました。
本記事では、LINEMOの新プランを細かく解説するとともに、「データ容量月10GB」にスポットをあてて、他社プランとの比較をしていきます。
少し複雑だけど幅広いニーズに応えたLINEMOベストプラン
はじめに、LINEMOの新プランはどこが変わったのか、新旧を比較しながら見ていきましょう。
LINEMOの旧プラン
プラン名 | データ容量・月額料金 | 通話料 | 容量超過時の通信速度 |
ミニプラン | 3GB:990円 | 22円/30秒 | 300kbps |
スマホプラン | 20GB:2728円 | 22円/30秒 | 1Mbps |
※価格は税込(以下同)
LINEMOの旧プランは月間3GBの「ミニプラン」と、月間20GBの「スマホプラン」という2つで構成されていました。月間データ量に加えて、規定のデータ量を超えた際の通信速度にも違いが見られることが特徴です。
LINEMOの新プラン
プラン名 | データ容量・月額料金 | 通話料・付帯通話オプション | 容量超過時の通信速度 |
LINEMOベストプラン | ・~3GB:990円 ・3GB超~10GB:2090円 | 22円/30秒 | ・10GB超~15GB:300kbps ・15GB超:128kbps |
LINEMOベストプランV | ・~20GB:2970円 ・20GB超~30GB:3960円 | 5分/1回の通話で国内なら無料(5分超過後は22円/30秒) | ・30GB超~45GB:1Mbps ・45GB超:128kbps |
わかりやすくシンプルだった旧プランと比較すると、新プランは少々複雑な仕組みです。
これまでと同様に2プラン構成ですが、使用したデータ容量に応じて料金が変わるように変更されました。その結果、旧プランよりも幅広いニーズに応えるものとなっており「3GB超~10GB」および「20GB超~30GB」が新たな選択肢として加わった形になっています。
また、通話料に大きな変更があったことも特徴のひとつ。旧プランの通話料は一律に「22円/30秒」でしたが、新プランのうち「LINEMOベストプランV」には、1回5分までの国内通話無料が含まれています。
さらに、容量超過時の通信速度にも変更が加わっています。旧プランではミニプランが300kbps、スマホプランが1Mbpsで統一されていましたが、新プランでは速度制限がより厳しくなるように変更されました。
Rakuten最強プランとahamoを強く意識
新しい料金プランは、楽天モバイルとahamoを強く意識したものになったと言えます。
まず、段階的に料金が変動する仕組みは、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」と似ています。毎月多くのデータ通信をする場合は楽天モバイルのほうがお得ですが、10GB以下の場合、LINEMOのほうが若干安価に利用することができます。
そして、LINEMOベストプランVの「20GBまで:2970円、1回5分以内の国内通話が無料」というサービス内容は、ahamoとまったく同じものとなっています。
楽天モバイルとahamoの料金
プラン名 | データ容量・月額料金 | 通話料・付帯通話オプション | 容量超過時の通信速度 |
Rakuten最強プラン | ・~3GB:1078円 ・3GB超~20GB:2178円 ・20GB超:3278円 | 22円/30秒(Rakuten Link使用で通話料無料) | なし(大容量使用時に制限がかかる場合もあり) |
ahamo | ・~20GB:2970円 ・100GB:4950円(大盛りオプション適用) | 5分/1回の通話で国内なら無料(5分超過後は22円/30秒) | 1Mbps |
価格だけで見ると他社の「月10GB」の方がお得
ここまで解説してきたとおり、LINEMOベストプランは旧プランと比較して仕組みが少々複雑になってしまったものの、「10GB」や「30GB」という新たな選択肢が追加されたことが強みとなっています。
なかでも特に注目したいのは「10GB」というデータ量です。
近年、大手通信キャリアでは無制限プランが中心となり、MVNOでも「月30GB」や「月50GB」などの大容量プランが次々と登場しています。
このように大量のデータを使うユーザーが増える一方で、大半のユーザーはそこまで多くのデータを使用していません。MM総研が今年発表したデータによると、スマホ利用者の月間データ通信量の平均は11.08GBで、全体の75.7%が月10GB以下しかデータ量を使用していないとされています。
3GB程度では心もとないけれど、20GB超は少し多すぎるというユーザーにとって、LINEMOの新プランはちょうどいい選択肢であるといえるでしょう。
ただし、注意しなければならないのは、他社のプランにはLINEMOよりも安価な10GBプランが多数あること。
LINEMOの公式ページには、新プランについて「10GB以下最安」という記述がありますが、これは「最大通信速度110Mbps超・年齢条件なし受付中プラン」という枠組みの中で比較したものです。通信速度が多少遅くなってもいいのなら、下記のように安価な選択肢があることを覚えておきましょう。
月間10GBの料金プラン比較
会社名・プラン名 | 月額料金 | 通話料・付帯通話オプション |
LINEMOベストプラン | 2090円 | 22円/30秒 |
mineo「マイピタ 10GB」 | 1958円 | 22円/30秒 |
IIJmio | 1500円 | 11円/30秒 |
NUROモバイル「VLプラン」 | 1485円 | 11円/30秒(NUROモバイルでんわ使用時) |
日本通信SIM「合理的みんなのプラン」 | 1390円 | 国内通話ひと月70分無料または5分/1回の通話で国内なら無料(超過後は11円/30秒) |
ここでは10GBプランのあるMVNOから4プランをピックアップしましたが、どれも2000円を切る価格で、LINEMOベストプランよりもお得となっています。特に注目したいのは、日本通信SIMが提供する「合理的みんなのプラン」です。
今回ピックアップした10GBプランの中では最安値で、LINEMOベストプランと比較すると価格差は700円。さらに、70分の国内通話または1回5分までの国内通話無料も付帯しており、お得度で言えば間違いなくトップクラスです。
通信速度が速いLINEMOか、コスパに優れた日本通信SIMか、重視するポイントを定めたうえで、自分にあったプランを選んでみましょう。