アップルの空間コンピューター「Apple Vision Pro」を脳コンピューターインターフェイス(BCI)と接続し、思考のみで制御する実験に成功したと、スタートアップ企業のSynchronが報告しています。
Apple Vision Proは両目にそれぞれ4K解像度ディスプレイを搭載したヘッドセットで、本体外部に装着された12個のカメラで取り込んだ映像と、仮想空間の映像を組み合わせた「複合現実(MR)」を体験することができます。
Synchronは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っているマークさんにBCIを適用し、Apple Vision Proを装着。これにより、手を動かすことができない患者はカーソルを動かしてソリティアをしたり、「Apple TV」を視聴したり、テキストメッセージを送信したりすることができるようになったのです。
マークさんによれば、BCIでApple Vision Proを操作するのは「iPhone」や「iPad」、コンピューターを使うのに似ているとのこと。また、アップルのデバイスはアクセシビリティ機能が優れており、そのこともApple Vision Proの操作に役立っていると言います。
Synchronは現在、BCI技術を適用するケースを増やしており、米国では6人の患者に、オーストラリアでは4人にBCIを移植しているそう。Apple Vision Proとの組み合わせが増えていくかもしれません。